世界初公開されたレクサス新型SUV「NX」公道初走行! ターボ車からPHEVまで「クルマのデパート状態!」 気になる部分はナニ?
目玉グレードのひとつである2.4リッターターボはどんな感じ?
次はPHEVと並びNXの目玉グレードのひとつである2.4リッターターボ搭載の「NX350」です。
このエンジンはFスポーツのみ、4WDのみの設定から解るようにNXの走りのフラッグシップといっていいモデルとなります。
この2.4リッターターボは新開発されたユニットで、279馬力/430Nmのパフォーマンスで8速ATとの組み合わせ。
4WDシステムはGRヤリスの電子制御油圧多板クラッチをベースにNX用に最適化。前後トルク配分を75:25から50:50まで適切に制御しています。
エンジンはターボラグがほとんどなくどの回転域からでも素早く反応するレスポンスが印象的です。
いわゆるターボらしい爆発的なパワーではなく、フラットなトルクと伸び感のあるフィーリングが特長ですが、個人的には3.5リッターV型6気筒エンジンのダウンサイジングエンジンというならば、もう少し力強さを実感しやすい特性でもよかったかなと思います。
サウンドは言葉で説明するのは難しいのですが、低めで濁音の多い音質と独特なものです。賛否は出ると思いますが、筆者はほかのエンジンにはない個性という意味ではアリだと思いました。
8速ATは小気味よいシフトアップ/ダウンとドライバーの意識に合わせたシフトスケジュールを採用。
Dレンジでもパドルを使わずにブリッピングしながらシフトダウンをおこないますが、すべてのコーナーで完璧とはいわないもののドライバーの意志に近い制御に近づいています。
実は減速Gの考え方もレクサスの乗り味の統一の項目で、電動パワートレイン用の電気CVTにも似た制御(下り坂で回転を上げる)が入っています。
フットワークは、RX450hのドシッとした4つのタイヤの接地感の高さとRX350h(FF)の軽快でキビキビ感、そして4WDの積極的な駆動力制御がバランス良く融合したイメージです。
その走りは「クルマの無駄な動きは抑えるが、足はシッカリ動かす」という考え方で、ワインディングではSUVに乗っていることを忘れるほどスポーティ。
個人的には「スッキリした操舵フィールを手に入れた目線の高いIS」といってもいいレベルだと思っています。
面白いのはAWDの制御で、コーナー進入時は「AWDを感じさせない」素直なノーズの入り、コーナー脱出時は「AWDならでは」の後輪の蹴り出しを実感できることで、これこそがレクサスの「スッキリと奥深く」を実現させるAWD制御だといえます。
この開発は最後の最後まで「スッキリ? スッキリしてない?」と喧々諤々だった聞きますが、ここまで積極的なレクサスのAWDは初です。
乗り心地はドライブモード「スポーツ+」だと路面の凹凸を若干拾いますが、スポーツカーを知る人ならば心地よいコツコツ感で気にならず。
逆に「ノーマル」だとスポーツ系モデルとしてはすこぶる快適性は高く、後席からも苦情はこないと思います。
※ ※ ※
そして最後は、NXの入門編「NX250」です。こちらはFF/4WDは選択可能ですがノーマルのみの設定でFスポーツはありません。
2.5リッター自然吸気エンジンは201馬力/241Nmのパフォーマンスで8速ATとの組み合わせ。
FFはNX最軽量となる1.6トン+αの車両重量となるためスペック以上に活発に走ります。
フットワークもRX350以上に軽快はハンドリングと快適性のバランスも良く、パワフルさを求めない人であれば満足度は高いでしょう。
一方、AWDはFF+60kgの車両重量となるため、必要十分な性能は備えているもののNXのキャラクターを考えると余裕が足りない印象。
8速ATがカバーしていますが、少々シフトビジーな感じがちょっと安っぽく感じてしまいます。
ただ、そこを理解できれば選択肢としてアリです。そのため筆者はほかのパワートレインはすべてAWD推しですが、NX250のみFF推しとなります。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。