ホンダ「オデッセイ」が27年の歴史に幕!「ミニバン」ブームの火付け役が残した功績とは
2021年12月をもってホンダのミニバン「オデッセイ」が生産終了します。1994年に初代モデルが登場してから27年で歴史に幕を下ろすことになったオデッセイとは、どのようなモデルだったのでしょうか。
オデッセイはホンダらしいアイデアが満載だった
ホンダは2021年6月、主力車種「オデッセイ」(国内仕様)を2021年12月に生産終了することを発表しました。
2021年度をめどに埼玉製作所 狭山工場を閉鎖し、生産を最新の寄居工場に集約することはかねてから公表されていましたが、オデッセイは工場機能の移管を機に絶版という決断がなされたのです。
オデッセイといえばミニバンブームの火付け役です。また、低迷していたホンダの経営を回復させた救世主でもあるため、ホンダファンのみならずその決定には大いに驚かされました。
1994年から始まったオデッセイ27年の歴史を振り返ります。
初代オデッセイが登場した1994年当時の日本では、「ミニバン」という言葉はほとんど浸透していませんでした。
多人数を乗せるクルマといえばキャブオーバー型のワンボックスカーが主流で、商用バンを乗用車仕様に仕立てたものがほとんど。
乗用車専用に設計されたトヨタ「エスティマ」やマツダ「MPV」など後にミニバンにカテゴライズされるクルマは存在しましたが、まだまだニッチな存在だったのです。
世の中はバブル崩壊後で新車の売り上げは軒並みダウン。唯一RV車のセールスだけが好調だったのですが、残念ながら当時のホンダはRVのラインナップが手薄で販売は苦戦を強いられていました。
そんななか、セダンやクーペとは違った新しい価値観を持つ「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」の第1弾として開発されたのがオデッセイです。
オデッセイ最大の特徴は、5代目「アコード」のプラットフォームをベースとし同じ生産ラインで製造されたことです。これは苦しい台所事情もあってのことですが、そこは発想力を武器にするホンダが限られた条件を逆手に取り、他車とは一線を画す魅力的なモデルに仕立てあげたのです。
たとえば、ボンネットにエンジンを収めるFFレイアウトは、フロア下にエンジンを搭載するワンボックスカーに比べてフロアを低くすることが可能です。
フロアが低ければ全高が低くても広々とした室内空間を得られるだけでなく、着座位置や重心も低くなるためセダンと変わらない感覚で運転することができるのです。
アコード譲りの2.2リッターエンジン(後に2.3リッターに変更され、3リッターV型6気筒エンジンも追加)と四輪ダブルウィッシュボーン式のサスペンションもあり、オデッセイは多人数乗車モデルとしては異例なほどスポーティな乗り味を誇りました。
生産ラインの制約でいえば、リアドアにスウィング式のドアが採用されましたが、これも当時は「スライドドアのように所帯じみていない」「セダンと同じように使える」と好意的に受け止められることが多かったようです。
またホンダの開発陣がこだわったのが、室内の使い勝手。コラムシフトを採用することでウォークスルーを実現し、2列目キャプテンシートの6名乗車仕様にいたっては1列目から3列目まで簡単に車内移動することができました。
また、3列目シートを床下に格納できるようにすることで、跳ね上げ式で畳んでも室内に残ってしまうワンボックスカーと差別化を図っているのも特徴のひとつです。
さまざまなアイデアから生まれた初代オデッセイは瞬く間に人気車となり、発売翌年には月1万台を超えるセールスを記録。
2代目へとバトンタッチする1999年までの5年間で累計40万台以上を販売し、ミニバンブームの口火を切ったのでした。
常連を突如「駐車場に高さ制限あるやつは新型買うな」と蹴り飛ばしたのは大きな失態
1551mm~16999mmはSUVと軽ハイトワゴン以外今時売れない
一度高さ制限1550mに絞ったなら例えスライドドアになろうとその高さは全うすべきだった
オデッセイは一度『高さ制限1550mm』という名の森に引き篭もって生き残りを図ってしまった以上
森を捨ててまで平原に出てしまえばアルファードという猛獣に襲われて
オデッセイはたちまち駆逐されてしまうのは必然的な自殺行為だった