いま密かに人気上昇中? 最新の「ゴツい系」SUV3選
まだまだ衰える気配のないSUV人気ですが、とくに各メーカーが力を入れているのがオンロード性能を重視したクロスオーバーです。ところが、直近ではクロカン車やオフロード性能も考慮したSUVも人気上昇中です。そこで、最新のゴツい系SUVを、3車種ピックアップして紹介します。
人気上昇中の「ゴツい系」SUVを振り返る
2010年代になって、一気に人気が高まったクルマといえばSUVです。これは世界的な傾向であり、各自動車メーカーから次々と新型SUVが登場して、豊富なラインナップを展開しています。
とくにメーカーが力を入れているのが、オンロード走行を重視したクロスオーバーと呼ばれるSUVで、コンパクトなモデルから大型のモデルまで、さまざまなセグメントが登場しています。
一方、近頃人気を集めているのが、本格的なクロカン車や、クロカン車に近いオフロード性能を持ったSUVです。なかでもアメリカでは車中泊やキャンプをしながらアウトドアライフを楽しむ「オーバーランド」が流行しており、それに対応したモデルが増えています。
そこで、次のトレンドとなりそうなゴツい系SUVを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「ランドクルーザー」
トヨタは2021年8月2日に、新型「ランドクルーザー(300シリーズ)」を発売しました。14年ぶりにフルモデルチェンジしたトヨタブランドでは最高峰に位置するSUVで、新型を待ち焦がれていたユーザーも多く、すでに納車まで2年以上かかると公式にアナウンスされているほどの人気ぶりです。
歴代のランドクルーザーシリーズは、「ヘビーデューティ」「ライトデューティ」「ステーションワゴン」の3タイプに分類され、新型ランドクルーザーはステーションワゴンに該当します。
グレードは装備によって分かれ、エントリーモデルの「GX」からトップグレードの「ZX」までの4タイプに加え、シリーズ初のスポーティな内外装とした「GRスポーツ」がラインナップされました。
新型ランドクルーザーはラダーフレームにボディを架装する伝統的な構造を継承しつつ、新開発の「GA-Fプラットフォーム」を採用。従来比で剛性を20%向上させつつ、車重は約200kgもの軽量化を実現しました。
外観はスクエアなフォルムを先代から受け継いでいますが、本格クロカン車としてのタフさと、洗練された高級SUVという一面を融合しています。
ボディサイズ(ZXグレード)は全長4985mm×全幅1980mm×全高1925mm、ホイールベース2850mmというフラッグシップにふさわしい体躯で、7人乗り3列シートと、5人乗り2列シートをグレード別に設定。
内装は豪華すぎず機能的で、デジタル化する一方でトランスファーやデフロックなど走行に必要な操作を物理的なスイッチとすることで、直感的な操作を可能としています。
パワーユニットは最高出力415馬力を誇る3.5リッターV型6気筒ガソリンツインターボと、最高出力309馬力の3.3リッターV型6気筒ディーゼルツインターボを設定。
トランスミッションは全車10速ATで、駆動方式は6つのモードを切り替え可能な「マルチテレインセレクト」を採用したフルタイム4WDです。
悪路走破性の高さに磨きがかかっていますが、安全面も最新の「Toyota Safety Sense」を搭載し、盗難防止策として指紋認証スタートスイッチがGXを除く全車標準装備となるなど、万全な体制となっています。
新型ランドクルーザーの価格(消費税込)は、ガソリン車が510万円から770万円。ディーゼル車(5人乗りのみ)はZXとGRスポーツをラインナップし、それぞれ760万円(ZX)、800万円(GRスポーツ)です。
●フォード「ブロンコ」
フォードは2016年に日本市場から撤退してしまい、現在は正規輸入されていませんが、2021年の春からアメリカで販売を開始して注目されているSUVが新型「ブロンコ」です。
ブロンコは1966年に初代が誕生。コンパクトサイズ(アメリカでは)のクロスカントリー4WD車として人気を博し、1996年に5代目をもって一旦ブロンコは消滅してしまいました。
そして、2021年に復活を遂げ、ボディは伝統的な2ドアモデルを継承しながらシリーズ初の4ドアモデルも設定。
新型ブロンコの外観デザインは初代に原点回帰し、丸いLEDヘッドライトを採用してボディも初代をオマージュしたスクエアなフォルムです。
ボディサイズは2ドアが全長4412mm×全幅1928mm×全高1826mm、4ドアが全長4810mm×全幅1928mm×全高1854mmとかなりの大柄ですが、アメリカではミドルクラスSUVにカテゴライズされています。
またユニークなのが取り外し可能なルーフシステムです。4ドアモデルは標準でソフトトップかハードトップを選択でき、独自のフレームレスドアも簡単に取り外し可能で、ルーフとドアを外せば開放感満点です。
搭載されるエンジンは最高出力304馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒ターボが標準で、オプションとして335馬力を誇る2.7リッターV型6気筒ターボの2種類を設定し、トランスミッションは10速ATと、2ドアの2.3リッター車には7速MTも用意されています。
駆動方式は全車4WDで、パートタイム式とオートモードを備えた電子制御式の2タイプを設定し、リアにデフロックも装着できるなど、悪路走破性の高さは折り紙付きです。
なお、新型ブロンコはラダーフレームにボディを架装した本格的なクロカン車ですが、よりライトな仕様でモノコックボディのクロスオーバーSUVとして「ブロンコスポーツ」も同時にリリースされています。
●ジープ「グラディエーター ルビコン」
クロカン車とSUVに特化したメーカーのひとつがアメリカのジープで、代表的なモデルは日本でも高い人気を誇っている「ラングラー」シリーズです。
ジープブランドのアイコンにもなっているラングラーですが、FCAジャパンは2021年9月15日に「ラングラー アンリミテッド」をベースにしたピックアップトラックの「グラディエーター ルビコン」を日本に導入すると発表し、2021年11月30日から受注を開始しました。
グラディエーターは2018年に、26年ぶりに北米市場で発売され、今回、日本へ初上陸を果たしました。
ジープ伝統の7スロットグリルに代表されるラングラーと共通のデザインながら、ホイールベースはラングラー アンリミテッドに対して480mmも延長され、5名乗車が可能な4ドア・ダブルキャブボディに広大な荷台を備え、ボディサイズは全長5600mm×全幅1930mm×全高1850mmもの体躯を誇ります。
ボディ構造は強固なラダーフレームにキャビンを架装した「ボディ・オン・フレーム」を採用しており、高い耐久性と剛性を実現。
また、日本に導入されるモデルは最高のオフロード性能を誇る「ルビコン」仕様で、前後デフロックや悪路走行時にサスペンションストローク量を増加させる電子制御式「フロント・スウェイバー・ディスコネクトシステム」、極低速走行を可能にする専用ローギア付「ロックトラックフルタイム4×4システム」、マッド・テレインタイヤなど走破性を向上させる数々の専用装備を備えています。
内装では、スマートフォンの接続も可能なオーディオナビゲーションシステムをはじめ、サブウーハー付アルパイン製プレミアムスピーカー、レザーシート、前席シートヒーターなど快適装備が充実。
搭載されるエンジンは最高出力284馬力を発揮する3.6リッターV型6気筒自然吸気のみで、組み合わされるトランスミッションは8速AT。駆動方式は2WD走行も可能なオンデマンド式4WDです。
グラディエーター ルビコンの日本での価格(消費税込)は、770万円からに設定されています。
※ ※ ※
今回、紹介した3車種は本格的なクロスカントリー4WD車であり、日本の道路で真価を発揮する機会はほとんどないでしょう、
また、発売から3年を経過して、なお高い人気を維持しているスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」も、専用のオフロードコースに持っていかない限りは悪路走破性を試すことはできません。
つまり、日本においてはこれらの車種はオーバースペックですが、本物だけが持つ機能は大いに魅力的で、人気の秘訣といえるでしょう。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。