輸入車の登録が大幅減! 急激に落ち込んだ理由と それでも勢いをキープするブランドとは
日本市場を優先してもらえたボルボだが、今後はどうなるか先が見えない
スウェーデンのボルボ本社から2021年11月3日に発表されたプレスリリースには、以下のように書かれています。
「ボルボの2021年1月から10月の販売台数は、前年比12.6%増の58万1464台を記録。ただし、10月の世界販売台数は5万815台で、前年同月比22.2%減少しました。この減少は部品の不足が生産に影響したことに関連しています」

やはり、ボルボも2021年前半は調子が良かったものの、この秋になって、世界全体としては生産減に陥っていたのです。
「調整して、なんとか送ってもらっていたわけですから限界はあります。余力はありませんから、この先のことは残念ながらわかりません」と、ボルボの日本法人の広報スタッフは話します。
ちなみに、現在、ボルボの受注は「XC40」「XC60」「XC90」といったSUV系が順調とか。
世界全体では、XC60が2021年の1月から10月にボルボ車でもっとも数多く売れた車種となり、その数は17万7995台(2020年は14万9855台)にもなっています。次いでXC40で、17万0907台(2021年が14万2159台)、そしてXC90が8万9041台(2021年が7万195台)となっています。
ただし、苦しいなかでもボルボの電動車、EVやプラグインハイブリッドの割合は徐々に上昇しているようです。
2021年1月から10月に全世界で販売されたボルボ車のうち、EVとプラグインハイブリッド車の割合は25.5%にも達しています。10月だけに限っていえば31.5%にも高まっています。
また、2021年10月にはボルボのEVである「C40リチャージ」の生産が欧州のゲントにて開始され、日本でも2021年11月中に発表されるとか。
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ボルボは「2030年に新車販売の100%を電気自動車にする」という目標を掲げています。
厳しい状況のなかでも、着々と目的に向かって歩んでいるというのが、ボルボの現状ということでしょう。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。


































