ガソリン高騰で10円上がると「にんじん何個分?」 原油関連の値上がりラッシュで家計圧迫も
原油の価格高騰が続いており、ガソリンスタンドに表示されている値段を見て、給油をためらうドライバーは多いかもしれません。ガソリン価格の上昇によって、家計にはどのくらい影響があるのでしょうか。
止まらないガソリンの高騰 家計にどのくらいの打撃を与えるのか
原油の価格高騰が続いており、ガソリンスタンドに表示されている値段を見て、給油をためらうドライバーは多いかもしれません。
では、実際のところガソリン価格の上昇によって、家計にはどのくらい影響があるのでしょうか。
ガソリン価格の高騰が続いています。こうした状況を受け、多くのドライバーからは「ガソリン高すぎない?」「ガソリン価格高騰いつまで続くの?」といった困惑の声が挙がっています。
一方で、原油の価格高騰にともなって、食料品をはじめとした、生活におけるあらゆるものの値上がりも相次いでおり、家計に直接的な影響が出てきています。
まず、燃料となる原油価格の上昇が輸送費高騰を引き起こしているため、輸入品の価格が軒並み上がっています。
例えば、2021年10月期の輸入小麦の価格は、1トン当たり6万1820円という高水準となっていますが、これはおよそ13年ぶりの水準です。
また、野菜や果物のハウス栽培に使われている暖房設備のほとんどが重油ボイラーであるため燃料費が高騰し、キュウリやトマト、ナス、レタスといったハウス野菜やイチゴなどの果物の価格も上昇しています。
前述の小麦の値上がりとあわせて、「今年はクリスマスケーキが値上がりするのでは?」といった声も上がっており、原油価格の高騰が、世間を賑わせるはずのシーズンイベントにも影を落とすことになりそうです。
さらに、普段であれば、低価格の食材として食卓に欠かせない存在である納豆も、大豆を蒸すときの燃料や容器の材料費が上がってしまい、特売品になりにくくなっています。
食料品以外で見てみると、コロナ禍で産ガス国も減産したため、火力発電の燃料である液化天然ガスの価格も高騰しており、大手電力10社、都市ガス4社は12月の家庭向け料金を値上げすることを決定している状況です。
電気・ガスともに、2021年9月から4ヶ月連続の値上がりとなっており、標準的な家庭の電気料金は同年1月の水準と比べて、1000円以上も上がることが予想されています。
これから気温が下がっていき、暖房の稼働も頻繁になるため、家計への打撃は必至となりそうです。
また、灯油も2021年10月18日時点で18リッター1860円と、前週と比べて46円も上がっているため、石油ストーブを使用するハードルも上がり、今年の冬はいかに節電しながら暖を取るかが課題になってくるでしょう。
このように、家計を苦しめる値上がりラッシュのなか、クルマの燃料としてのガソリン値上がりが与える家計への影響はどうなるのでしょうか。
国産コンパクトカーの燃費タンク容量は40リッター前後となり、エンプティランプが点くタイミング(残量5リッター前後)と仮定します。
仮に月に1回35リットル給油するとした場合、ガソリン1リッターあたり10円の値上がりによる影響は、350円ほどの出費の増加にとどまります。
これは、にんじんに換算すると5本ほど、鶏むね肉でおよそ400g、缶ジュースでいうと約3本程度となります。
そこだけ見ると、家計全体に与える影響はそれほど大きくないという印象を受けるかもしれません。
ただ、実際には、原油価格の高騰が引き起こすあらゆる商品の値上がりや、光熱費の値上がりなどを合計すると、4人家族であれば、月に1万円以上の出費増となる可能性もあります。
ガソリン、そして原油がいかにわれわれの生活の基盤になっているかがうかがえます。
日本エネルギー経済研究所石油情報センターの担当者によると、「来週もガソリンの値段は下がらず、横ばいになる見込みです」と話しており、依然として高い水準をキープすると見られています。
今後もガソリン代は家計を圧迫する可能性が高く、節約を強いられる家庭は増えそうです。
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原油価格の高騰による打撃は、ガソリンの値上がりよりも食費や光熱費の上昇という形で表れています。
また、光熱費が上がることは、生活していくうえでかなりの痛手であり、今年の冬は「節約」という言葉がいつにもまして重くのしかかってくるといえるでしょう。
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