日常で使うことなんて考えてない? 昭和・平成・令和の超辛口セダン3選

現在、ファミリーカーの代表といえばミニバンですが、ミニバンの普及以前は4ドアセダンが担っていました。一方で、使い勝手の良さと走行性能のバランスが絶妙なはずの4ドアセダンながら、走りに特化したモデルも存在。そこで、昭和から令和にかけて登場した超辛口セダンを、3車種ピックアップして紹介します。

昭和・平成・令和に登場した硬派なセダンを振り返る

 1990年代から現在に至るまで、日本のファミリーカーといえばミニバンが主流です。両面スライドドアで人も荷物もたくさん乗せられるミニバンは、使い勝手の良いクルマの代表格といえます。

使い勝手や乗り心地など考えられていないほど硬派なセダンたち
使い勝手や乗り心地など考えられていないほど硬派なセダンたち

 一方で、ミニバンが普及する以前、ファミリーカーのポジションを担っていたのは4ドアセダンです。

 セダンはミニバンやステーションワゴンよりも荷物の積載能力は劣りますが、比較的使い勝手が良好で、走行性能はミニバンを大きく上まわっています。

 このセダンのなかには、日常での使用をあまり考えずに、とにかく速く走ることに特化したモデルも存在。

 そこで、昭和・平成・令和に登場した超辛口セダンを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイラインGT-R」

まさに勝つためだけに生まれた硬派なセダン「スカイラインGT-R」

 日産車のなかでも、もっとも歴史があるモデルが「スカイライン」です。初代は1957年に、プリンス自動車の前身である富士精密工業から発売されました。

 1966年に日産とプリンス自動車が合併し、1968年に日産ブランドから初めて発売されたスカイラインが、3代目となる「C10型」通称「ハコスカ」と呼ばれるモデルです。

 そして1969年には、市販車をベースにしたツーリングカーレースで勝つことを目的に、初代「スカイラインGT-R」が誕生しました。

 スカイラインGT-Rは当初4ドアセダンのボディで、外観では砲弾型フェンダーミラーと前後に「GT-R」エンブレムが装着され、リアフェンダーのホイールアーチが拡大されていたのがスタンダードモデルとの差異です。

 エンジンはプリンス時代の純レーシングマシンである「R380」のものをベースに開発された、2リッター直列6気筒4バルブDOHC「S20型」で、有鉛ハイオク仕様では160馬力(グロス)を発揮しました。

 また、スカイラインGT-Rの当時の新車価格が154万円と、かなり高額なグレードでしたが、ラジオはおろかヒーターさえもオプションで、助手席のシートベルトやリアウインドウの熱線も省略されました。

 一方で、標準でバケットシートが装着され、トランク内には100リッター容量の燃料タンクが搭載されるなど、戦うマシンに仕立てられていました。

 その後、1970年にはより戦闘力が高い2ドアクーペボディの「ハードトップ」へとスイッチ。

 実際にレースに投入されたスカイラインGT-Rは初勝利こそ辛勝でしたが、そこからはまさに破竹の勢いで勝ち続け、49連勝を含む通算52勝を飾りました。

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●ホンダ「シビック タイプR」

セダンながら日常での使用などほとんど考慮されていなかった「シビック タイプR」

 今も走り好きから高く支持されている高性能車といえば、ホンダ「シビック タイプR」です。2022年には新型が登場するとアナウンスされており、2021年10月4日に走行テスト用のプロトタイプが公開されるなど、大いに期待が高まっています。

 初代シビック タイプRは1997年に誕生。NSX、インテグラに続くタイプRシリーズ第3弾で、比較的安価な価格からたちまちヒット作となりました。

 その後、代を重ねて2007年に3代目が登場し、ボディは初代インテグラ タイプR以来となる4ドアセダンを採用しました。

 最高出力225馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHC i-VTECエンジンを搭載し、シャシまわりもこれまでのタイプRシリーズと同様のコンセプトでチューニングされ、優れた走行性能を実現。

 外観では専用のエアロフォルムバンパーと巨大なリアウイングが装着され、戦闘的なスタイルへと変貌しました。

 内装もスポーツシートや専用ステアリングホイール、アルミ製シフトノブ、ショートストロークのシフトリンケージ、メタル製スポーツペダル&フットレストなどを装備するなど、見た目だけでなく機能的です。

 一見すると3代目シビック タイプRは普段使いにも適した4ドアセダンですが、実際は公道での走行が厳しいほどの硬い足まわりで、とても後席に人を乗せて快適に走るのは無理といえました。

 3代目シビック タイプRは2010年に生産を終了し、現在まで最後の日本製タイプRであり、最後の自然吸気エンジン車ということもあって、今も高い人気を誇っています。

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●アルファ・ロメオ「ジュリア GTAm」

もはや公道を走れるレーシングカーという特殊なモデルの「ジュリア GTAm」

 最後に紹介するのは輸入車で、令和に登場したスーパーセダンのアルファ・ロメオ「ジュリア GTAm」です。

 2017年に発売されたジュリアは、同社のフラッグシップに位置するミドルクラスのFRセダンで、ハイパフォーマンスモデルとして「ジュリア 2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ」がラインナップされていましたが、さらに2020年3月にはアルファ・ロメオ創立110年を記念した特別なモデル「ジュリアGTA/GTAm」が発売されました。

 ジュリアGTA/GTAmは最高出力540馬力を誇る2.9リッターV型6気筒エンジンを搭載し、超軽量素材の広範囲な使用により、ジュリア クアドリフォリオと比較して約100kgもの軽量化に成功し、パワーウエイトレシオはクラストップの2.81kg/psを達成。

 外観はF1のコンストラクターであるザウバーエンジニアリングが開発したエアロキットが装着され、前後のトレッドを50mm拡大し、足まわりとブレーキも強化された専用品です。

 ほかにもリアのカーボン製ディフューザーと一体となったアクラポヴィッチ製のチタンエキゾーストや、20インチのセンターロックホイールが迫力を醸しています。

 さらに、ジュリアGTAmは公道走行可能なクルマでありながら2シーター化され、室内にはロールケージと6点式シートベルトを装備し、リアシートにあたる場所にはヘルメットと消火器を格納するためのスペースが設けられました。

 ジュリアGTA/GTAmは2021年4月26日から5月9日の期間限定で受注販売され、日本での価格(消費税込)はジュリアGTAが2064万円、ジュリアGTAmが2198万円と、ひと昔前のスーパーカー並みです。なおGTAmの「m」は「モデファイド」を表しています。

※ ※ ※

 近年、セダンの人気は世界的に低迷を続けていますが、前述のとおり新型シビック タイプR(5ドアハッチバック)の登場が控えており、アメリカでは、最高出力472馬力を誇る5リッターV型8気筒自然吸気エンジンを搭載したレクサス「IS 500 F SPORT Performance」が発売されました。

 また、2021年9月にはスバル新型「WRX」がアメリカで発表され、最高出力275馬力を発揮する2.4リッター水平対向4気筒ターボを搭載することが明らかになっており、日本での発売も大いに期待されています。

 このように、ハイパフォーマンスセダンが次々に発表されていることを考えると、尖ったモデルはまだまだ需要があるということでしょう。

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