トヨタ「エスティマ」日本復活なるか? 全長5m超えミニバン「シエナ」日本導入ある? 横浜で実車展示した理由

シエナの参考展示は「お客様のニーズを知るため」

 トレッサ横浜での参考展示では、日本で販売されているラージサイズミニバン「アルファード(S“C パッケージ”)」との比較表も掲出されていました。

 ●シエナ(XSE)/アルファード(S“C パッケージ”)
 ・乗車定員:7人/7人
 ・全長:5184mm/4950mm
 ・全幅:1993mm/1850mm
 ・全高:1770mm/1950mm
 ・ホイールベース:3060mm/3000mm
 ・エンジン:2.5リッター直列4気筒+ハイブリッド
 ・システム最高出力:245馬力/197馬力
 ・トランスミッション:CVT/電気式無段変速機

 アルファードと比較するとシエナの大きさが際立ちます。

 アルファードよりも全長は+23cm以上、全幅は+14cm以上、全高は18cm低いのでロング&ロー&ワイドなシルエットになっています。室内はさすがにゆったりしており、7人フル乗車でも余裕のようです。

トヨタ「シエナ(XSE)」と「アルファード(S“C パッケージ”)」との比較(画像提供:Yutapon9051さん)
トヨタ「シエナ(XSE)」と「アルファード(S“C パッケージ”)」との比較(画像提供:Yutapon9051さん)

 これまで、3代目までは並行輸入業者の手によって日本に左ハンドルのシエナ(ガソリン車)が輸入され、人気になっていました。

 しかし、4代目からは全車ハイブリッドとなってしまったため、シエナを並行輸入で登録することのハードルが大幅に上がっているといいます。

 その理由は、ハイブリッド車に搭載されるバッテリーの安全性認証に関わることで、一般の輸入業者が扱うシエナを国内登録することはほとんど不可能という状態になっています。

 さらに、2021年7月1日から並行輸入自動車の審査事務規程が改正されており、バッテリーの認証だけではなく並行輸入車の登録自体、困難なことになっています。

 そうした背景もあり、トヨタによるシエナの実車展示は、否が応でも期待が高まります。

 トレッサ横浜での参考展示にはどのような意図があったのでしょうか。トヨタの広報部は次のように説明しています。

――国内導入の予定はありますか?なぜ展示をしているのでしょうか?

 日本導入予定はありませんが、シエナのようなSUVライクでスタイリッシュなミニバンについて、日本国内でのお客さまのニーズを調査するため参考展示をおこないました。

――なぜ、日本のナンバープレートが付いているのですか?海外仕様にないサイドマーカーもありますが、国内導入に向けた仕様なのでしょうか?

 日本国内でも開発をおこなっている関係で、保安基準に合うようサイドマーカーを装着し、日本で登録しています。ただしこちらは、日本への導入に向けた動きではありません。

※ ※ ※

 残念ながら、すぐに日本に導入されるというわけではなさそうですが、「いまの導入はありませんが、将来に向けた調査として、前向きにとらえていただけると幸いです」との一言をいただきました。

 日本で運転するには、大きいサイズが課題となりますが、シエナのようなミニバンに魅力を感じる人は「大きいから買わない」という人は少ないでしょう。

 今やミニバンの本場はアメリカではなく日本。中国での生産も始まり、シエナの世界人気はますます高まりそうです。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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