【運転注意!】トンネルでは事故が発生しやすい? 様々な要因が重なる「不思議な現象」とは
トンネルでは事故が起きやすいというイメージを持つ人もいるかもしれません。果たして本当にトンネルでは事故が発生しやすいのでしょうか。
トンネルでは事故が起きやすい!?
全国に点在するトンネル。一般道路から高速道路、山間部や都市部などさまざまな場所に設けられています。
最近ではトンネルで事故が起きるというニュースを見かけることもありますが、トンネルは通常の道路と比べて事故が多いのでしょうか。
トンネルの定義は「2地点間の交通と物資の輸送あるいは貯留などを目的とし、建設される地下の空間」を指し、一般社団法人日本トンネル技術協会では、広い意味には立杭、斜杭、地下発電所などの人工空間も含むとされています。
国土交通省の「道路統計年報2019 トンネルの現況」の資料によると、高速道路のトンネルは全国で1107件あると公表されています。
通常の道路に比べると、トンネルは暗いことから、走行しにくいと感じている人もいるかもしれません。
最近では、2021年8月21日未明首都高速都心環状線C1外回りの霞が関トンネル内で10台以上のクルマが絡む多重事故が発生し、ネット上で話題となっていました。
この事故では、クルマのほか、数台のオートバイ、トラックも巻き込む大規模な事故となり、復旧に多くの時間を要したため、一時的に霞が関トンネルが封鎖されたほどです。
では、トンネルのほうが通常の道路より事故が多いという事実はあるのでしょうか。
首都高速道路株式会社(首都高)の広報担当者は以下のように話します。
「トンネル内の事故が、明かり部の事故よりも多く発生するという認識はありません。
これまでの分析などにより、事故発生の要因は、主に交通状況と道路構造(分合流、急カーブなど)に分類されます」
また、トンネル内での事故について、前出の担当者は以下のように話します。
「首都高のホームページでは事故多発地点マップを掲載しており、このマップに掲載されているトンネル区間の事故多発箇所はいずれも渋滞多発箇所(主に追突多発)、分合流区間(主に車両接触多発)、急カーブ区間(主に施設接触多発)に分類できます。これは、明かり部でも同様の傾向です」
首都高の担当者の話にもあるように、トンネルの区間だからといって特別事故が多いというわけではなく、交通状況や道路構造によって事故が発生するということが分かりました。
一方で、トンネルは渋滞の要因のひとつとされており、NEXCO西日本では交通集中による渋滞が発生しやすいポイントのなかで、トンネル入り口部を要因のひとつに挙げています。
これは、トンネルにさしかかった際にトンネルの入り口部の暗がりや圧迫感により、気づかないうちに速度が低下してしまうクルマがいて、車間距離が縮まることから後続のクルマがブレーキを踏み渋滞に繋がるとされています。トンネル入り口部での渋滞は、交通渋滞の約20%を占めているようです。
また、広島県警察のホームページではトンネルでの運転について、「トンネルのなかは必ずしも平坦ではなく、数パーセントの上り勾配トンネルもあり、こうした場所は知らずしらずのうちに速度が落ちて、自然渋滞になることがあります。また、トンネル内では幾度となく多重事故が発生しています」と説明しています。
このように、トンネル自体で事故が起きやすいとはいわれていないものの、トンネルが通常の路面に比べて薄暗く、急カーブや気づかないうちに上り坂になっているトンネルもあるため、渋滞が起こりやすい場所であることが分かります。
そのため、トンネルに差し掛かる部分やトンネル内では車間距離を十分にとることが必要といえます。
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