新型ランクル300とはどう違う? 世界初公開されたレクサス新型「LX」を比較してみた

レクサスは2021年10月14日、新型「LX」をサウジアラビア王国ならびにアラブ首長国連邦で初公開しました。LXは今回初公開された新型で4代目で、レクサスのフラッグシップSUVとなるモデルです。先日日本でも発売された新型「ランドクルーザー」とプラットフォームを共有するクルマですが、その違いはどこにあるのでしょうか。

オフロードでの走破性に加えオンロードでの快適性も求められる

 続いてメカニズムや機能に目を移すと、一転して2台の共通項が多くなります。

トヨタ新型「ランドクルーザー」の走り
トヨタ新型「ランドクルーザー」の走り

 まず、2台とも車台にはラダーフレームからなる新GA-Fプラットフォームを採用します。

 ボディへの高張力鋼板の採用拡大とボンネット/ルーフ/全ドアパネルをアルミ化などにより、従来型より約200kgもの軽量化を実現。スポット溶接の増し打ちや構造用接着剤の採用によりボディ剛性をアップ。そして、パワートレインの搭載位置を後方に70mm、下方に28mm移動して、前後重量配分を改善しています。

 またハイマウントダブルウイッシュボーン式サスペンションの採用と、リアのショックアブソーバーの配置変更などもおこなっています。ダンパーは減衰力可変式のAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム)。こうしたボディとシャシ関係の内容は、レクサスLXと新型ランドクルーザーとまったく同じです。

 そして、新型レクサスLXに搭載されるパワートレインは、最高出力305kW(415馬力)/最大トルク350Nmの3.5リッターV型6気筒ツインターボ・ガソリンエンジンと10速ATの組み合わせです。一部市場では3.3リッターV型6気筒ツインターボ・ディーゼルエンジンもラインナップされます。一方、新型ランドクルーザーは3.5リッターV型6気筒ツインターボ・ガソリンエンジンと3.3リッターV型6気筒ツインターボ・ディーゼルエンジンの両方を日本市場でラインナップします。

 オフロード走行を支える機能としては、新型レクサスLXは路面状況にあわせた走行支援をおこなうマルチテレインセレクト、オフロード走行時の駆動力とブレーキを自動制御するクロールコントロール、急坂をゆっくりと降りるダウンヒルアシストコントロールなどを備えていますが、これもランドクルーザー同様の内容となります。

 では、2台のメカニズム面で異なるのは何があるのでしょうか。

 大きな違いは、新型レクサスLXは車高を変化させるAHC(アダプティブ・ハイト・コントロール・サスペンション)なのに対し、新型ランドクルーザーは前後スタビライザーを電子制御するE-KDSS(エレクトロニック・キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)を使うところです。

 また、レクサスLXは電動パワーステアリングを新採用しましたが、ランドクルーザーは油圧パワーステアリングに電動アクチュエーターを組み合わせた方式としています。そして、オフロード走行を視界面から支援する「バックアンダーフロアビュー」(後退時に、過去に撮影された映像を合成することで、クルマの後ろ側を表示する機能)をレクサスLXが世界初採用したところも大きな違いです。

※ ※ ※

 こうした違いは、なぜ生まれたのでしょうか。

 その理由は、2台のコンセプトにあるのではないでしょうか。ランドクルーザーが目指すのは「世界中のどんな道でも疲れない走り」であるのに対し、レクサスLXは「世界中のどんな道でも楽に、上質に」とあります。レクサスLXには“上質”という言葉が加えられているのです。

 また、新型レクサスLXのリリースには「類まれなるオフロード性能を持ちながら、街中でも、高速道路でも、過酷な環境でも、どんな道でも気負うことなく運転でき、すべての乗員が快適に移動できる車を目指しました」と開発者の狙いが記載されています。

 つまり、ランドクルーザーの持つ、優れたオフロード性能を土台としつつも、街中や高速道路といった、オンロードの上質な走りが追加されているのです。

 端的にいってしまえば、デザインと走り、このふたつが新型レクサスLXと新型ランドクルーザーの違いなのではないでしょうか。

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【画像】レクサス新型LXとトヨタ新型ランドクルーザーを比較(47枚)

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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