なぜ違反なのに口頭注意だけ? 「後席シートベルト違反」の謎! 非着用の被害はどれほど?

後席シートベルト非着用時の危険性は?

 警察庁によると「後部座席シートベルト着用・非着用別致死率」は、2016年から2020年の過去5年合計で、一般道路では着用時の約3.2倍、高速道路では約19.8倍となっています。

 JAFでは、2017年に「後席シートベルト非着用時の危険性」についてのテストをおこなっています。

 テスト方法は、走行速度55km/hで、ダミー人形4体を乗車させ、そのうち3体がシートベルト着用、運転席側の後部座席に座る1体がシートベルトを着用せずに、フルラップ前面衝突試験を実施しました。

 テストでは、シートベルト非着用のダミー人形は衝突時に体が投げ出されてヘッドレストに頭を打ち付け、さらには運転席にいるダミーを押しつぶしています。

「全ての座席でシートベルトを着用しなければなりません!(免除される場合は除く)」
「全ての座席でシートベルトを着用しなければなりません!(免除される場合は除く)」

 一方で隣のシートベルトを着用しているダミー人形は、シートベルトで体が拘束されていたため、身が投げ出されることはありませんでした。

 頭部への障害の程度を示す数値をみても、シートベルト非着用のダミー人形は死亡や重傷に繋がる致命的な損傷を負う可能性が高いということが分かりました。

 このように、シートベルトの着用・非着用では身体への損傷のダメージが大きく異なり、1人でもシートベルトをしていないだけで、まわりのシートベルト着用者にも損傷を負わせる可能性があるということが分かります。

 このことから「車内の構造物(ピラーやシートなど)に激突し、自らが損害を負う」「運転者や助手席同乗者へぶつかり、危害を加える」「窓などから社外に放出される」といった危険性が挙げられています。

※ ※ ※

 警察庁では、シートベルトは交通事故に遭った場合の被害を大幅に軽減するとともに、正しい運転姿勢を保つことにより疲労を軽減させるなどさまざまな効果があると説明しており、「全ての座席でシートベルトを着用しなければなりません!(免除される場合は除く)」と呼びかけています。

 また、違反点数や反則金が設けられていないからといっても、シートベルトを着用しないのは違反行為には変わりません。また、シートベルトをしていないうえでの事故などでは、被害者の過失とされる可能性もあり、損害賠償などが十分に受けられなくなることもあるようです。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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