ヨコハマの新スタッドレス「アイスガード7」はどう進化? 冬の北海道で試してみた
ヨコハマの冬タイヤ開発の拠点 TTCHで試走
試走会がおこなわれたのは、北海道・旭川市にあるヨコハマの「北海道タイヤテストセンター(TTCH)」。
ここは2015年に開業した、ヨコハマの冬タイヤ開発の拠点となる施設で、およそ90ヘクタールの敷地のなかには、100km/hを超える高速試験もできる全長2.3kmの圧雪周回路や、勾配5%の全長1.1kmの圧雪ハンドリング路、雪上/氷上登坂路などを備えています。
なかでも2018年に開設された屋内氷盤試験場には、あらたに全長約100mという国内最大級の冷媒装置を備えた氷盤試験路面を設置。ここでは氷の表面温度をマイナス10℃から0℃までコントロール可能になったといいます。
そんな屋内氷盤試験場で、まずは新旧タイヤの比較をおこないます。
195/65R15 91Qサイズの従来品、アイスガード6を装着したトヨタ「プリウス」は、30km/hからブレーキングするとABSを効かせながら、イメージどおりふつうに止まります。ヨコハマのスタッドレスタイヤは、従来から氷上ブレーキ性能に定評があることを実感できます。
次に同サイズの新アイスガード7を履くプリウスに乗り換えてスタート。30km/hでブレーキングをすると、まず最初の制動Gの強さが違います。ABSがググッ、ググッと作動して速度が落ちていき、最後はギュッと止まります。最後の最後に、自分がイメージよりも一歩手前でギュッと止まる感覚がわかりやすく、誰でもその進化を実感できます。何度やっても新アイスガード7のほうが手前で止まりました。
氷上での発進も比較します。従来品アイスガード6はキュルキュルとタイヤを空転させつつ、それでもかなり早いタイミングで加速していきますが、新アイスガード7はタイヤと氷が密着しているような感覚で、タイヤの空転も穏やかに、すぐに速度を上げていきます。アクセルを踏んでから加速するまで「待つ」時間がかなり短くなる印象です。
氷上制動性能は14%向上、氷上発進/加速性能は15%向上という数字以上に、運転していて誰もが体感できるレベルなことに驚きました。
続いて雪上のスラロームの新旧比較をおこないます。試乗車はFFのトヨタ「ヤリス」で、タイヤサイズは185/60R15 84Qです。
左右にハンドルを切りながらパイロンをクリアしていきますが、速度を上げていくとアンダーステア気味になり、クルマがフロントから外へ外へと逃げていきます。
従来品のアイスガード6でもハンドルから伝わる情報が的確で、さらに速度を上げてもグリップが急に抜けることがなく滑りが穏やかなため、圧雪路でも運転がしやすいのですが、それでも新製品のアイスガード7装着車に乗ると、横のグリップが従来品よりも上がっているのがわかります。比較すると、新アイスガード7のほうが、同じコースでもハンドル舵角が小さくクリアできました。
圧雪ハンドリング路では、4WDのトヨタ「ハリアー」とスバル「レヴォーグ」、FFのプジョー「508」とシトロエン「C3」で試乗しましたが、アップダウンのあるワイディングコースにもかかわらずFF車でもコントロールしやすく、安心のドライブができました。
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