コスパが高く乗って楽しい! ちょっと前の高性能クロスオーバーSUV3選
ここ数年で急激に人気が上昇したSUVですが、現在もその人気ぶりは衰えることなく、各メーカーから次々と新型SUVが登場しています。とくに主流となっているモデルはクロスオーバーSUVですが、なかにはドライビングプレジャーあふれるモデルも存在。そこで、ちょっと前の高性能クロスオーバーSUVを、3車種ピックアップして紹介します。
ハイパフォーマンスで安い、ちょっと前の高性能SUVを振り返る
近年、SUV人気は世界的にも急上昇し、各メーカーから次々と新型SUVがリリースされています。とくに人気となっているのが、オンロード走行を重視したクロスオーバーSUVです。
SUVの起源は本格的なクロスカントリー4WDですが、悪路走破性に特化していることから普段使いには適していない面がありました。
そこで、セダンやステーションワゴン、コンパクトカーなどのプラットフォームを使って開発されたのがクロスオーバーSUVで、文字どおりオンロードカーとオフロードカーの特徴をミックスしたイメージです。
クロスオーバーSUVは経済性や高速走行での安定性、運動性能などがクロカン車よりも優れ、ユーティリティも高く、それでいて見た目は力強さもあり、まさに優等生的なクルマといえます。
さらに、クロスオーバーSUVのなかには、高性能なエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルも存在。
そこで、今なら安価で入手可能なちょっと前の高性能クロスオーバーSUVを、3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「フォレスター XT」
スバルといえば生活に密着した4WD車メーカーですが、本格的なSUVは1997年に誕生した「フォレスター」が初のモデルです。
フォレスターは初代から3代目まで、名機と呼ばれる「EJ20型」2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載するグレードをラインナップし、高性能なSUVとして人気を獲得しました。
そして、2012年にデビュー4代目では、最高出力280馬力を誇る「FA20型」2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した「XT」グレードが登場。
XTの外観は高性能車ながらシンプルで、3代目までのターボ車にあったボンネットのエアスクープも採用されていません。
一見すると高性能モデルには見えず、エンブレム以外では左右2本出しのマフラーによって控えめにアピールするのみです。
駆動方式はパワートレインとドライブトレインを統合制御して、悪路走破性を高める「X-MODE」を搭載したフルタイム4WDを採用。
一方でXTは、車体剛性のアップや専用のサスペンションチューニングによって、オンロードでの優れた旋回性能を実現しています。
2018年に現行モデルの5代目にフルモデルチェンジされましたが、FA20型ターボエンジンは廃止となってしまい、XT並みの高性能モデルは登場していません。
●日産「ジューク NISMO RS」
日産は1990年代初頭のRVブームの頃、「サファリ」「テラノ」「ダットサントラック」と、本格的なクロカン車をラインナップして好調なセールスを記録していましたが、ブームの終焉とともに国内市場から次々と姿を消しました。
しかし、2000年にはヒット作となるライトなSUVの、初代「エクストレイル」が誕生。このエクストレイルに続き2007年には、より都会的なスタイリングの「デュアリス」、そして2010年には生粋のクロスオーバーSUVである「ジューク」が登場しました。
ジュークのボディサイズは全長4135mm×全幅1765mm×全高1565mmとコンパクトで、外観は有機的なフロントフェイスや、張りのある曲面で構成されたグラマラスなフォルムが特徴です。
グレードは最高出力114馬力の1.5リッター直列4自然吸気エンジンを搭載した「15RX」系と、190馬力を誇る1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した「16GT」系の大きく2タイプに分けられ、さらに装備の違いで複数のグレードを設定。
この16GT系をベースに仕立てられたハイパフォーマンスモデルが、2013年に発売された「ジューク NISMO」で、エンジンは最高出力200馬力にまでパワーアップし、足まわりを強化。外観も専用のエアロパーツが与えられました。
そして、2014年にはジューク NISMOをベースに、さらにパフォーマンスアップが図られた「ジューク NISMO RS」が登場。
1.6リッターターボエンジンの最高出力は214馬力まで向上し、トランスミッションはパドルシフトによる8速マニュアルモード付CVTが組み合わされました。
シャシまわりも専用のチューニングが施され、ボディ剛性の向上と、ブレーキはフロントブレーキローター径を拡大し、リアにもベンチレーテッドディスクが奢られています。
内装ではレカロ製シートに、NISMO RSだけの240km/hスケールのスピードメーターが装着されるなど、高性能車にふさわしいアイテムを装備していました。
ジュークは一定の人気を獲得しましたが、2019年に生産を終了。欧州では今も2代目が販売されていますが日本への導入はなく、2020年に発売された「キックス」が実質的な後継車です。
●ミニ「ミニクロスオーバー クーパーS」
1959年に誕生したBMC「ミニ」は、画期的な車体レイアウトによってコンパクトカーの概念を変え、いまも語り継がれる名車中の名車です。
しかし、メーカーであるローバーグループの経営悪化と、ロングセラーの宿命で基本設計の古さは否めず、ミニは2000年に生産を終了。すでにローバーグループを買収していたBMWは、2001年に「ニューミニ」を発売しました。
ニューミニはクラシックミニをオマージュした外観と、「ゴーカートフィーリング」と呼ばれるスポーティな走りによって世界的に大ヒットし、2006年に登場した2代目では、レギュラーモデルである3ドアハッチバック以外にも、さまざまなボディタイプを展開することで、多様化するニーズに対応しました。
そのなかの1台が2011年に日本でデビューしたクロスオーバーSUVの「ミニ クロスオーバー」です。
ボディサイズは全長4120mm×全幅1790mm×全高1550mm(クーパーS)と、ショート&ワイドな5ドアハッチバックで、外観はスタンダードなミニのイメージを残しつつもワイルドさを強調したフロントフェイスに、フェンダーアーチや前後バンパーにはクロスオーバーSUVでは定番の樹脂パーツが装着されました。
グレードはエンジンの違いで「ワン」「クーパー」「クーパーS」にわかれ、それぞれFFが基本ですがフルタイム4WDの「オール4」ラインナップし、さらにハイパフォーマンスな「ジョンクーパーワークス(JCW)」も設定。
スタンダードな高性能モデルのクーパーSには、最高出力184馬力(後に190馬力へアップ)を発揮する1.6リッター直列4気筒ターボエンジンが搭載され、トランスミッションは6速MTと6速ATが選べました。
また、フロントがストラット、リアがマルチリンクの足まわりもクーパーS専用にチューニングされており、優れた運動性能を発揮。
そして、2017年(日本で発売)には現行モデルの2代目にフルモデルチェンジし、プラットフォーム、ボディ、パワートレインのすべてが刷新されました。
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2021年10月7日には、レクサス「NX」、スバル「レガシィ アウトバック」、日産「ノート AUTECH クロスオーバー」と、同日に3モデルのクロスオーバーSUVが発表・発売されました。
また、2021年9月にはトヨタ「カローラ クロス」が発売されており、もはや「SUVブーム」といっても過言ではありません。
しかし、かつて乱立したクロカン車やミニバンのように、急激に増えたモデルはその後、ほとんどが消滅してしまいました。
SUVは世界的なブームとなっているのですぐに沈静化するとは思えませんが、あまりにも増えてしまうとユーザーもついていけない状態ではないでしょうか。
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