「カウンタック」が米国自動車遺産の殿堂入り! 『キャノンボール』で美女がドライブしたランボルギーニとは

「カウンタック」が「デロリアン」と同じ自動車遺産の殿堂入り

 1980年代ポップカルチャーのアイコン的作品となった映画『キャノンボール』のランボルギーニ・カウンタックLP400S #112112は、劇中で素晴らしい存在感を示したのち、有力な自動車コレクターのもとを渡り歩きつつ、アメリカ国内にとどまることになった。

 今世紀を迎えた後にも、北米各地のカーショーなどには時おり姿を見せていたとされるものの、映画公開から40年を経て、その印象が次第に薄くなっていたことは間違いないだろう。

ボディの前後に大型ウイングを取りつけ、エンジンフード左右とリアのバンパー上に合わせて3本のCB無線のアンテナが立てられている
ボディの前後に大型ウイングを取りつけ、エンジンフード左右とリアのバンパー上に合わせて3本のCB無線のアンテナが立てられている

●信じられないほどの栄誉

 しかし、自動車史に冠たる名作カウンタックと『キャノンボール』を、歴史の陰に埋もれさせてはならないと考える人々がいたようだ。

 アメリカ最大の自動車保険会社のひとつである「ハガーティ(Hagerty)」社と、現在のCEOであるマッキール・ハガーティ氏は、アメリカ合衆国内務省および議会図書館とともに、アメリカの歴史や文化に多大な貢献を果たした車両のヒストリーを永続的に記録および保護するために、2009年から「ナショナル・ヒストリック・ヴィークル・レジスター(National Historic Vehicle Register:国立歴史車両登録簿)」を立ち上げた。

 そして、そのレジスターを監督してきた「ハガーティ・ドライバーズ・ファウンデーション(Hagerty Drivers Foundation)」は、『キャノンボール』公開40周年にあたる2021年9月29日、1980年代のポップカルチャーにおいて『キャノンボール』のカウンタックが果たした役割を国家レベルとして正式に認め、これまで映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出演した「デロリアン」などによって構成されてきた、29台の車両リストに追加されることが決定したというのだ。

 さらに、「ハガーティ・ドライバーズ・ファウンデーション」では毎年恒例の祝賀イベントとして、ワシントンDCのアメリカ連邦議会図書館前にて、アメリカの自動車遺産を祝う車両展示をおこなうことになっているとのことだが、今年は「Countach LP400S in Cars at the Capital」と銘打って、劇中そのままの雄姿を保ったカウンタックLP400S #112112をショーケースに入れて展示することになった。

 これは、アウトモビリ・ランボルギーニ社公式WEBページの言葉を借りれば「信じられないほどの栄誉」。そしてカウンタック50周年を飾る、新たな勲章となったのである。

【画像】映画『キャノンボール』の劇中車「カウンタック」とは(7枚)

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