メルセデスAMG「GLE 63 S 4MATIC+クーペ」が900馬力に! ブラバスの「ロケット・エディション」の中身は?
モナコで開催されたヨットショーで、ブラバスが「世界最速のストリートリーガルSUV」と謳う「ブラバス 900 ロケット・エディション」をお披露目しました。いまなぜ、ボートショーで新車の発表がおこなわれるでしょうか?
およそ5000万円の900馬力ブラバスの中身とは
2021年9月22日に開催された、モナコのヨットショーで、メルセデス・ベンツ・チューナーのブラバスは、最新作であり、また「世界最速のストリートリーガルSUV」と銘打ったモデルをワールドプレミアした。
最近では、モーターショーではなく、ヨットショー(ボートショー)や各種のイベントで自動車メーカーがニューモデルを初公開する例も多くなり始めたが、ブラバスの場合もまた例外ではなかった。モナコを訪れるスーパーリッチに、ダイレクトにプロモーションをおこなおうという戦略は、実際に有効な手段である。
●排気量拡大でパワーアップ
今回発表されたモデルは、ブラバス車の最高峰といえる「ロケット・シリーズ」。すなわちメルセデスAMGの4リッターV型8気筒ツインターボエンジンを、さらに4.5リッターの排気量に拡大し、ツインターボのシステム一式もまた独自にチューニングアップすることで、最高出力を900ps、最大トルクを1250Nmとしたロケット・シリーズの新作だ。
ベースとなっているのは、スムーズなルーフラインからも想像できるとおり、メルセデスAMG「GLE 63 S 4MATIC+クーペ」である。ブラバスによればトランスミッション保護のため、最大トルクは2500から4500rpm以外の領域では1050Nmに抑えられるという。
V型8気筒エンジンの排気量は、正確には3982ccから4407ccへと引き上げられているが、これはシリンダーのボアを84mmに、ストロークを100mmに増加した結果得られたものだ。
鍛造ピストンや精密にバランシングされたビレットクランクシャフトと同様に鍛造された、長いブラバス・オリジナルのピストンロッドによって、排気量アップの基本的な作業は完了している。
ツインのターボはより大きなコンプレッサーユニットを備えたブラバスのオリジナルとなり、強化されたスラストベアリングを備えたコアアッセンブリに変更されている。
エグゾーストシステムは、大型のダウンパイプや金属触媒、特殊な微粒子フィルターなどを経て、テールの両サイドに90mm径のチタン/カーボンテールパイプを備えたシステムで完結する。このシステムには音量の調節バルブが採用されており、深夜や早朝などにガレージからの出入庫する場面でも、そのサウンドはさほど気にはならない。
ブラバスのトップに君臨するモデルともいえるだけに、そのエクステリアも実にスリリングでクールなフィニッシュだ。使用されているのはGLE63に専用のハイテクカーボン素材で、それらはもともとのファストバックスタイルに、さらに壮観な外観を与えているのが分かる。
もちろんそれは単なるデザインを追求したものではなく、それぞれに確かな機能を持つものとなっている。
例えばフロントのチンスポイラーは、高速走行中のフロントアクスルリフトを最小限に抑え、その結果ハンドリングの安定性をさらに最適化するという。またフロントバンパーの側面にあるエアインテークは、ラムエアインテークとしての機能が備わり、運転席側のインテークにはブラバスのエンブレムもあしらわれている。
リアのサイドエアアウトレット用のカーボントリムとディフューザーのフィニッシュ、そして3ピースのリアスポイラーもまたスタイリッシュで、かつロケット900の持つパフォーマンスを物語るフィニッシュだ。
前後のホイールは、24インチのブラバス製モノブロックZ「プラチナエディション」だ。このホイールの特徴は、露出カーボンエアエロディスクを持つことと、最先端の鍛造技術によって、10スポークのリムに圧倒的な軽量構造と卓越した強度を兼ね備えたことにある。タイヤはフロントに295/30ZR25、リアに355/25ZR24を装着する。
モナコでの発表によれば、このロケット900の販売価格は税抜で38万1243ユーロ(邦貨換算約4900万円)から。もちろんブラバスが得意とするゴージャスなキャビンなどをオプションでオーダーすれば、さらにその数字は大きく跳ね上がる。
生産台数はわずかに25台。まさに究極のGLEクーペともいえる、「ブラバス 900 ロケット・エディション」。その走りはスーパーカーの世界そのものと表現してもいいだろう。
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