700キロ走って分かったアルファ ロメオ「ステルヴィオ・ヴェローチェ」のGTカー的要素とは

クルマは長距離をドライブしてこそ分かることがたくさんあります。アルファ ロメオ「ステルヴィオ・ヴェローチェ」を700kmほど走破して見えてきたのは、GTカーとしての資質でした。

たまにはのんびり「ステルヴィオ・ヴェローチェ」で旅に出てみよう

 世にこれだけSUVが増えてくると、さすがにこのカテゴリーの中に様々な個性を持った様々な性格のクルマが存在することを、ちょっとクルマが好きな人ならお解りであることだろう。

 僕はアルファ ロメオ「ステルヴィオ」が2018年に日本に導入されて初めて試乗したときから、“SUVのカタチをしたスポーツカー”というふうにお伝えしてきた。でも、一部訂正するべきかも知れない。このクルマは“SUVのカタチをしたスポーツカーでありグランツーリスモ”なのだ。これまでたっぷりと距離を走らせてもらってきたし、今回と似たような使い方もしてきたけれど、あらためて意識しながら走らせてみたことで、もうひとつの素晴らしい側面をたっぷりと実感することができたのだ。

 僕はずっとステルヴィオのスポーツカー然とした“走らせる楽しさ”の鮮やかさにばかり気をとられていた、ということか。考えてみると、それはそれで凄いことだとも思うのだけど。

バイキセノンヘッドライトとLEDポジショニングライトを備えたフロントマスクは精悍だ
バイキセノンヘッドライトとLEDポジショニングライトを備えたフロントマスクは精悍だ

 いや、どういうことか。実は今回、都内の目黒のはずれにある僕の自宅から神奈川県の大磯経由で長野の大町市にある「界 アルプス」まで行き、その周辺を風景の中を走り、同じルートを逆になぞるようにして帰ってくる約700kmの道中、僕は一度たりともステルヴィオのアクセルペダルと強く踏みつけるようなこともしていなければ、コーナーを攻めるようなこともしていない。

 ひとりで走っていたなら誘惑に駆られることもあったかも知れないが、大人の男3人+撮影機材を満載しての1泊2日ロケの旅である。必要とされるのはアグレッシヴな走りではなく、エレガンス薫るジェントルなドライビング、なのだ。

●「クアドリフォリオ」と「スプリント」の真ん中が「ヴェローチェ」

 ドライバーである僕に委ねられたのは、2021年7月に導入された「ステルヴィオ・ヴェローチェ」。2.0ターボのガソリンと2.2ターボ・ディーゼルの2種類の直4エンジンがラインナップされるうちの、ガソリンを搭載する方のモデルだ。正式名称を“アルファ ロメオ・ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェ”という。

 先刻御承知の方も多いと思うけど、“ヴェローチェ”とはイタリア語で“速い”を表す言葉。導入と時を同じくして日本仕様のラインナップがシンプルに整理され、ヴェローチェは2.9リッターV6ツインターボを積む「クアドリフォリオ」と2.2ディーゼル・ターボを積む「スプリント」のちょうど中間に置かれることになった。つまりガソリンの2.0ターボは、ステルヴィオではこのヴェローチェだけで選ぶことができるパワーユニット、ということになる。

ヴェローチェは、ホイールアーチ・サイドスカート・リアバンパーがボディ同色となる
ヴェローチェは、ホイールアーチ・サイドスカート・リアバンパーがボディ同色となる

 ヴェローチェがスプリントとどう違うのかというと、もっとも判りやすいのはそのエクステリアだろう。フロントの盾の部分とリアのエキゾーストのフィニッシャー、サイドウインドウのモールがブラックアウトされ、ホイールアーチとサイドスカート、リアバンパーがボディと同色にペイントされていることで、グッと引き締まった印象を見せている。それだけでSUVっぽさがやや薄くなってスピード感が増したように感じられるから不思議だ。

 パフォーマンスに関わる部分では、235/60-18サイズのスプリントに対して、ヴェローチェは255/45-20サイズのタイヤを履き、4輪にメカニカルな減衰力自動調整機構ともいうべきFSDバルブ付きのダンパーを備えている。ヴェローチェ=速い、の理由のひとつはここにあるわけだ。

【画像】「ヴェローチェ」と名のつく「ステルヴィオ」は何が違う?(25枚)

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