トヨタ新型「カローラクロス」登場で小型SUVが激戦! ヴェゼル・ヤリスクロスはどれ選ぶ?

新型カローラクロスよりもお買い得なモデルとは?

●走行性能&乗り心地

 1位:カローラクロス
 2位:ヴェゼル
 3位:ヤリスクロス

 ガソリンエンジンの性能は、1.8リッターを搭載するカローラクロスに余裕があります。ヴェゼルは1.5リッターで実用的な不満はないですが、少しパワー不足。そのためにエンジンの負荷が増えて、ノイズも拡大しやすいです。

 ヤリスクロスは1.5リッターで、動力性能は十分ですが、3気筒とあって登坂路ではノイズが耳障りです。

2021年4月にフルモデルチェンジしたホンダ「ヴェゼル」
2021年4月にフルモデルチェンジしたホンダ「ヴェゼル」

 ハイブリッドの性能はヴェゼルのe:HEVが1位です。駆動をモーターが受け持つので、アクセル操作に機敏に反応して加速は滑らか。ノイズも小さいです。

 2位はカローラクロス。アクセルを踏むとエンジン回転が先行して上がり、速度が追いかけるように上昇しますが、動力性能やノイズに不満はないです。

 3位のヤリスクロスは、ガソリンエンジン車と同じくハイブリッド車も3気筒のノイズが気になります。

 走行安定性はヴェゼルが高いですが、カローラクロスは軽快に良く曲がってスポーティな雰囲気を味わえます。この2車種の足まわりは互角でしょう。

 乗り心地はヴェゼルも満足できますが、カローラクロスもグレードによっては快適です。とくにカローラクロスの4WDは、後輪が4輪独立懸架になって快適性も向上します。ヤリスクロスの乗り心地には、粗さを感じます。

●総合評価

 1位:ヴェゼル
 2位:カローラクロス
 3位:ヤリスクロス

 今回取り上げた3車種で、安全装備などのバランスが吊り合うグレードを選ぶと、カローラクロスハイブリッドS・2WD(275万円)、ヴェゼルe:HEV・X・2WD(265万8700円)、ヤリスクロスハイブリッドG・2WD(239万4000円)になります。

 内装の質感や装備と価格を照合すると、ヴェゼルが一番割安です。カローラクロスと比べても、内装が上質で、後席も快適なのでファミリーカーに適しています。

 その代わり4名で乗車した時の荷室容量はカローラクロスが上まわり、操舵感も機敏でスポーティに仕上げました。

 外観のデザインも含めて、SUVらしい力強さや実用性を重視するユーザーにとって、カローラクロスも選ぶ価値が高いです。その意味でヴェゼルの価値観は、セダン的ともいえるでしょう。

 ヤリスクロスは、ヴェゼルやカローラクロスに比べると、後席や荷室が狭く乗り心地も見劣りします。

 その代わり価格はヴェゼルよりも約26万円、カローラクロスに比べると35万円ほど安く、ボディもコンパクトだから運転しやすいです。

 コンパクトSUVを検討するときは、どのような目的で使用するかに応じて選ぶとよいでしょう。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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