なぜ「ジュニアシート」使用で死亡事故起きた? 軽乗用車の助手席で5歳男児が被害にあった背景とは

母親が運転する軽乗用車の助手席でジュニアシートに座っていた5歳男児が腹部圧迫による内臓損傷により死亡しました。なぜ子供用のイスであるジュニアシートを使用していたのに死亡事故が発生したのでしょうか。

福岡県で起こった男児死亡事故とは

 2021年8月31日の朝、福岡県田川郡福智町伊方の片側2車線道路で母親が運転する軽乗用車が右折待ちの乗用車に追突、助手席でジュニアシートに座っていた5歳男児が腹部圧迫による内臓損傷により死亡しました。

ベルトポジショナー(ベルトの高さ調節装置)付のブースターシートなら適正な位置に肩ベルトを調節できる(画像提供:コンビ株式会社)
ベルトポジショナー(ベルトの高さ調節装置)付のブースターシートなら適正な位置に肩ベルトを調節できる(画像提供:コンビ株式会社)

 事故は直線道路で母親が運転するクルマが追突した状況で、横転や高いところからの転落など激しい衝撃はありませんでした。

 運転者の母親は命に別状はなく、また追突された乗用車のドライバーにも大きなけがはなかったと報道されていますが、ジュニアシートを使用していた男児だけが死亡という痛ましい事故になってしまいました。

 この事故に対して、次のようなコメントが多数寄せられていました。

「やっぱり助手席は危険」
「なぜ? ジュニアシートに座っていたのに死亡?」
「運転していた母親も追突された乗用車のドライバーも命に別状はないのにどういうこと?」
「エアバッグが作動して圧迫されたとしか考えられない」
「5歳で座面だけのジュニアシートはまだ早いのでは?」

 では、実際の事故はどのようなものだったのでしょうか。事故処理を担当した福岡県田川警察署に聞いてみました。

――受傷部位はどちらでしょうか?

 外傷はなく腹部の内出血がありました。腹部が圧迫されたというより、内臓が傷ついて出血したと報告されています。

――エアバッグによる影響は?

 エアバッグは運転席、助手席ともに開いていましたが、男児の顔などにもエアバッグが当たった跡などがないため、エアバッグによる受傷はないと考えられます。

 お子さんの場合、助手席でエアバッグが展開して衝撃を受けると顔などにけがをすることが多いのですがそれもありませんでした。

――使っていたジュニアシートはどのようなタイプでしょうか?

(座面だけで背もたれのない)ブースタータイプのジュニアシートです。

 着座状況やシートスライドの位置などは分かっていません。ブースターシートの銘柄は非公表です。

※ ※ ※

 さらに、男児を救急搬送した田川地区消防本部にも事故後の様子を聞いてみたところ、次の回答がありました。

「救急車が到着したときにはすでに男児は周囲の人々によってクルマから出されて歩道にいました。

 そのときは心肺停止状態ではありませんでしたが、救急車に乗って搬送途中に意識レベルが急激に低下し、事故から2時間後病院にて死亡が確認されました」

 多くの人々が「助手席は危険! 助手席のエアバッグで体を圧迫されたのだろう」というコメントを寄せていましたが、この度の事故ではエアバッグ展開の影響はなく、ジュニアシートの使い方、ベルトの掛け方に問題があったと考えられます。

 今回、取材した田川地区消防本部は、シートベルトの使用方法について、次のように説明しています。

「ジュニアシートの場合、車両シートベルトを使って体を固定します。腰ベルトがお腹に食い込む装着ではなく、腰骨にあたるように座らせてあげてください」

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1件のコメント

  1. セミバケで4点を標準にすりゃぁいいのに。3点なんかほんま信用ならん。

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