新型ランクル300の先祖は50系! 半世紀の進化はどれだけスゴい?

クロカン車の基本を押さえつつもハイテクを融合して、高い悪路走破性を実現

 50系から数えると新型ランドクルーザーは6代目にあたります。前述のとおり、60系以降は高級化が段階的に進み、3代目の80系から北米でレクサス「LX」として販売されました。

技術的には飛躍的に進歩しつつも、根源であるコンセプトは変わっていない新型「ランドクルーザー」

 新型ランドクルーザーは伝統のラダーフレームにボディを架装する構造を継承しながら、新開発の「GA-Fプラットフォーム」を採用。

 従来比で車体剛性を20%向上したのと並行して、ボディに高張力鋼板を使い、ボンネット、ルーフ、全ドアパネルをアルミ製とした結果、車重は約200kgもの軽量化を実現。

 外観はスクエアなステーションワゴンタイプのデザインは世代の200系から引き継いでいますが、本格クロカン車としてのタフさと、高級クロカン車としての重厚さを表現。

 ボンネットの中央を凹ませて衝突安全性能と前方視界の両立を図りながら、デザイン上のアクセントにもなっており、リアまわりでは空力性能も考慮した形状を実現しています。

 ボディサイズ(ZXグレード)は全長4985mm×全幅1980mm×全高1925mm、ホイールベース2850mmという体躯で、内装では7人乗り3列シートと、5人乗り2列シートをグレード別に設定。

 グレード構成は装備によって分かれ、エントリーモデルの「GX」からトップグレードの「ZX」まで4タイプに加え、新たに「GRスポーツ」がラインナップされました。GRスポーツでは、クラシカルな「TOYOTA」ロゴを配置したフロントグリルや、スポーティな内外装の意匠となっています。

 内装では機能性を重視しており、センターの12.3インチ大型モニターと液晶メーターによって、ナビやエンターテインメントだけでなく、車両の各種インフォメーションを表示。

 さらに空調やオーディオ、トランスファーやデフロックなど走行・駆動に必要な操作を物理的なスイッチとすることで、直感的な操作を可能としています。

 パワーユニットは最高出力415馬力を誇る3.5リッターV型6気筒ガソリンツインターボ、または最高出力309馬力の3.3リッターV型6気筒ディーゼルツインターボを搭載。トランスミッションは全車10速ATで、駆動方式は6つの走行モードが切り替え可能な「マルチテレインセレクト」を採用したフルタイム4WDです。

 さらに、車両周囲の状況確認を4つのカメラでサポートする「マルチテレインモニター」を設定し、ダウンヒルアシストコントロール、クロールコントロールなどを継承するなど、高い悪路走破性はさらに進化。

 サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアがトレーニングリンクのリジッドアクスルで、路面状況や前後輪それぞれの状況に応じて細かくスタビライザー効果を変化させる、世界初の電子制御スタビライザーを搭載しています。

 安全面でも最新の「Toyota Safety Sense」を搭載し、とくに盗難被害が多いランドクルーザーだけあって、セキュリティ面では日本車初の指紋認証スタートスイッチがGXを除く全車標準装備となるなど、被害防止に万全な体制がとられました。

 新型ランドクルーザーの価格(消費税込)は、ガソリン車が510万円から770万円。ディーゼル車(5人乗りのみ)はZXとGRスポーツだけの設定でZXが760万円、GRスポーツが800万円です。

※ ※ ※

 50系と新型ランドクルーザーは半世紀以上もの隔たりがありますが、ラダーフレームにボディを架装する構造は変わりありません。

 また、ランドクルーザーシリーズに共通するコンセプトである、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」も揺るぎないものとなっています。

 これからもランドクルーザーは日本を代表するクロスカントリー4WD車として、世界中で活躍することでしょう。

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