新型ランクル300の先祖は50系! 半世紀の進化はどれだけスゴい?

トヨタは2021年8月2日に、新型「ランドクルーザー(300)」を発売しました。以前から先行予約を開始しており、発売時点ですでに納期は1年以上先となる見通しと、高い人気ぶりがうかがえます。このランドクルーザーの先祖となるモデルが、1967年に登場したランドクルーザー 50系です。そこで、両車の特徴から、54年の進化を振り返ります。

新型ランドクルーザー300と先祖の50系、どんな特徴があるのか

 2021年8月2日に、トヨタは14年ぶりとなる新型「ランドクルーザー(300)」を発売。すでに海外ではお披露目されていましたが、満を持して日本仕様の発売となりました。

 発売を前にして先行予約も一部のディーラーで始まっていたことから、発売当日にはすでに納期は1年待ちの状態で、高い人気ぶりを証明したかたちです。

40系に比べより洗練されたデザインとなった「ランドクルーザー 50系」
40系に比べより洗練されたデザインとなった「ランドクルーザー 50系」

 このランドクルーザーシリーズには「ヘビーデューティ」「ライトデューティ」「ステーションワゴン」の3タイプが存在し、現行モデルではヘビーデューティが海外専用モデルの「ランドクルーザー 70」、ライトデューティが「ランドクルーザープラド」、そしてステーションワゴンが新型ランドクルーザーです。

 このステーションワゴンモデルである新型ランドクルーザーの先祖が、1967年に発売された「ランドクルーザー 50系」で、両車には54年もの隔たりがあり単純に比較することはナンセンスですが、どんな特徴があるのか50系と300を紐解いてみます。

※ ※ ※

 ランドクルーザー 50系は、40系の4ドアバン(FJ45V型)の後継モデルとして誕生。型式は「FJ55型」が与えられ、40系とは独立したかたちです。

 外観のデザインは40系の質実剛健な印象から、一気にモダンかつスマートに変身したステーションワゴンスタイルを採用。強固なラダーフレームにボディを架装する、クロカン車ではオーソドックスな構造です。

 より乗用車的なデザインに近付けた背景としては、アメリカやオーストラリアでの使われ方と同様に、日本でも4WD車が将来的にレジャー用途に使われることを想定していたといいます。

 ボディサイズは全長4675mm×全幅1735mm×全高1865mm、ホイールベースは2700mmと、当時としてはかなり大柄なボディといえるでしょう。

 50系は日本だけでなくグローバルで展開され、国内では1ナンバーで500kg積み(3名乗車時)の商用バンにカテゴライズされましたが、海外では乗用ワゴンとして販売されました。

 搭載されたエンジンは最高出力125馬力(グロス)を発揮する3.9リッター直列6気筒OHVガソリンのみで、1969年には130馬力(グロス)に向上。トランスミッションは3速MTとオプションで4速MTを設定し、駆動方式は2速の副変速機付きパートタイム式4WDを採用しています。

 1975年のマイナーチェンジで最高出力135馬力(グロス)の4.2リッターガソリンに換装(FJ56V型)されましたが、モデルライフを通じてディーゼルエンジンな搭載していません。

 内装は6人乗りの前後3人掛けのベンチシートで、ダッシュボードは鉄板むき出しの40系と異なりパッドで覆われるなど、乗用車に近いトリムとなっています。

 バックドアは観音開きと、パワーウインドウ式リアガラスを備えた手前に引き倒すタイプの2種類が設定され、荷台はリアシートをたたむとフルフラットとなるなど、バンとしてのユーティリティも考慮しています。

 足まわりは耐久性を重視して前後ともリーフスプリングのリジットアクスルを採用。最低地上高は210mmと余裕をもった設計です。

 快適装備としてはヒーターとラジオくらいですが、ウインチやエンジンの動力を外部に供給して農機具やポンプなどを作動できる、パワーテイクオフ(PTO)といった実用的なオプションが設定されていました。

 その後、ランドクルーザー 50系は1980年まで生産され、後継モデルでさらに洗練されたデザインで、ラグジュアリー志向への序章となった「ランドクルーザー 60系」へバトンタッチされました。

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