北米トヨタの秘密基地「豊田ベース」とは? 関係者「注目されたくなかった」
ル・マン24時間耐久レースでの1-2フィニッシュや、新型「GR86」の発売など、最近すっかりと目が離せない存在となったトヨタですが、アメリカで一般公開されていないトヨタの謎の施設が見つかりました。一体どのような施設なのでしょうか。
実は世界中にある「豊田ベース」、その建物はプライベートな保養所だった
2017年、北米トヨタの本社がカリフォルニア州トーランスから、テキサス州ダラス郊外のプレイノに移った。タイミングを同じくして地元の新聞「The Dallas Morning News」が面白い記事を掲載した。
ダラス郊外のアーガイルという長閑な町に「トヨタの役員ならびにVIP用保養所改修工事中」と報じたのだ。敷地面積30万平米の元別荘地で、元々はダラスの金融マンが所有していたもの。
2014年に北米トヨタはこの土地建物を取得したようで、プレイノへの本社移転が発表されたタイミングと重なっている。トヨタ側が周辺住民に明らかにしたのは一般公開しないプライベートな自動車博物館、日本庭園、フィッシングを楽しむ池が設けられる、ということだった。
さらに、既存の家屋に加えていくつかのゲストハウスも建設された。別荘として用いられていた頃の写真は、不動産業者が販売当時の様子を今でも掲載している。ベッドルームは7室、バスルームは9.5室、ミニシアター、バー、ビリヤードルーム、ワインセラー……、アメリカン・ドリームで大成したであろう前オーナーの趣味が伺える。
そして、なんとGoogle Mapを見ると敷地内にはミニサーキットまで用意されている。ただ、車両開発をするテストコースのようなものではなく、あくまでも“遊び”の範疇を超えない程度のもののようだ。
一体、どんなクルマを走らせるのだろうか? カートでレースでもするのだろうか? はたまた、自動車博物館に収められた貴重なコレクションを走らせるのだろうか? 想像するだけでワクワクする。クルマ好きが見たら誰しもに笑顔をもたらし、興奮させてくれることだろう。
The Dallas Morning News紙の取材に応じた当時の北米トヨタPR担当者は、「一般開放される施設ではないので注目されたくはなかった」と明かしている。実際、この保養所はプライバシー確保のために周囲は木のフェンスで見えないようになっているばかりか、玄関に表札や看板といったものは一切ない。
●漢字で「豊田」と読めるデザイン
久しぶりに当該施設がどうなっているのかが気になり、Google MapならびにGoogleストリートビューで検索してみた。すると新しい発見があった。
施設の玄関となる一見、質素なゲートを見ていたら、“印鑑”で「豊田」と押されたかのようなデザインが施されているではないか。なお、Googleストリートビューでタイムラインを変更してみると、2018年撮影時には交換されていたようだ。
気になったのは、当時の取材に応えた北米PR担当者が「似たような保養施設は世界中に存在する」と答えていたことだ。ということは、ひょっとしたら世界のどこかに、この「豊田」デザインが施されたゲートが、ほかにもあるということなのだろうか。
もし、トヨタ関係者の方がこの記事をご覧になっていたら、筆者にぜひとも「豊田ベース」の取材の機会を与えてはもらえないだろうか。
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