「F40」が1250万円で落札! フェラーリ「328GTS」が中古で買えるチルドレンズ・カーとは?

子供用のおもちゃだと侮ってはいけません。「F40」のチルドレンズ・カーは、本物のユーズド・フェラーリが買えるほど高価な、れっきとしたコレクターズアイテムです。では、どうしてF40のチルドレンズ・カーは1000万円を上回るほど人気なのでしょうか。

タルガトップの「F40」発見! ただしチルドレンズ・カー

 毎年8月中旬、アメリカ・カリフォルニア州モントレー半島内にて、約1週間にわたって数多くのイベントが次から次へと開催されるカーマニアの祭典「モントレー・カー・ウィーク」だが、2020年は新型コロナウイルス禍によって中止となってしまった。

 しかし今年は2年ぶりの開催となり、中核イベントのひとつである「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」が昨年90周年を迎えた「ピニンファリーナ」をメインフィーチャー・ブランドとしたことも理由なのだろうか、時を同じくしてRMサザビーズ北米本社がモントレー市内で開催した「Montley」オークションでは、おびただしい台数のフェラーリが出品されることになった。

 しかし、今回VAGUEが注目したのは、フェラーリ風であっても本物のフェラーリではなく、またサイズもふた回りほど小さなチルドレンズ・カーである。

 フェラーリの歴史的名作「F40」を3/4スケールに縮小しつつも、なかなか精巧に作られた1台を紹介しよう。

見る角度によっては、かなり本物らしいスタイリングに見える(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
見る角度によっては、かなり本物らしいスタイリングに見える(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●子供向けとは思えない? とことん本格的なFレーサー・ジュニア

 1990年代半ば、ルカ・ディ・モンテゼーモロ元会長がフェラーリの実権を完全掌握し、フェラーリの商標はもちろんクルマたちの肖像権までもコントロールするようになる以前、フェラーリF40は「キッズカー」や「チルドレンズ・カー」のモデルとしても大いに引用されていたようだ。

「F40っぽく見える」小さなクルマたちは、乳幼児がまたがって遊ぶキッズカーはもちろん、大人のコレクション対象にもなり得るような精巧なチルドレンズ・カーとしても製作されていたことを、筆者もおぼろげながら記憶している。

 今回のRMサザビーズ「Montley」オークションに出品された「Fレーサー・ジュニア(F-Racer Junior)」は後者に属するもの。オークションハウスのWEBカタログでは、製作された時期やメーカーなどに関する情報は記されていないものの、写真で見る限りはコレクターの審美眼にも耐えうる仕立てとされた1台である。

 製作台数はごく少ないと思われるFレーサー・ジュニアは、オリジナルのフェラーリF40の約3/4スケール。全長2.6メートル×全幅1.6メートルという、子供用としてはけっこう大きなサイズ。車両重量は250kgとのことである。

 カタログをみると、フレームはかなり立体的でしっかりとした作り。リアミッドシップに搭載された排気量270ccのガソリンエンジンに、ファイナルギア比2:1のギアボックスを組み合わせ、子供用を標榜しつつも最高速度は35マイル(約55km/h)に達することができたそうだが、任意でリミッターを作動させることも可能だった。

 また油圧式ショックアブソーバーやコイルスプリング、リアのディファレンシャル、油圧ディスクブレーキ、そしてウィッシュボーン式独立サスペンションなど、本物のF40さながらのメカニズムもおごられていた。

 ボディはFRP製で、フェラーリ「308/328GTS」のようなデタッチャブル(脱着式)トップを外したかにも見えるスタイリング。本物のF40と同じく、レキサン樹脂製のスリット入りリアウインドー+チルト式リアカウルなどもF40っぽい。さらに前後のホイールも、本物のF40のO.Z.社製3ピースアロイを、当時としては可能な限り再現しようとしたことがうかがえる。

 一方、オープンゆえに外から見えるインテリアもかなり作り込まれたもので、2座のミニバケットシートは、本物のF40に採用されたOMP社製バケットシートにも似た高品質の不燃性ファブリックで張り込まれる。また、ダッシュパネルにもザックリとした質感とダークグレーのカラーがホンモノを彷彿とさせるファブリックが張られ、実際に機能するメーターやイグニッションキーが取り付けられている。

【画像】本物のフェラーリが買えてしまう「F40」のチルドレンズ・カーとは(20枚)

マツダの最上級3列シートSUV「CX-80」で女子4人のドライブ旅へ

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー