カローラもヤリスも2人乗りに… 日本に無い謎仕様とは

　トヨタは、欧州市場（とくに英国）にて乗用車を5人乗りから2人乗りに改造した仕様を販売しています。
　
　2021年8月31日には、英国にて新型「カローラコマーシャル」（以下カローラバン）を世界初公開しました。
　
　そのほかにも、スペイン市場では「ヤリス エレクトロニクス ハイブリッド エコ バン」（以下ヤリスバン）を展開していますが、なぜあえて2人乗り仕様を設定するのでしょうか。

　新型カローラバンは、「カローラツーリングスポーツ（日本名：カローラツーリング）」のハイブリッド車の後席を外し、前席の背面に格子状の金属製パーテーション（以下金網）を取り付けることで荷室を拡大した2人乗りの商用車です。

　一方、新型ヤリスバンは2021年7月21日にスペイン市場に投入され、新型カローラバンと同じく金網を取り付けた2人乗り仕様の商用車となっています。

　また、悪路走破性の高さから世界中で長きに渡って人気を誇る「ランドクルーザーシリーズ」にも2人乗り仕様が存在。

　新型カローラバンと同じ英国市場にて、「ランドクルーザープラド（英国ではランドクルーザーとして販売）」の派生車として「ランドクルーザーコマーシャル」（以下、ランクルバン）をラインナップしています。

　ボディタイプは5ドア（ロングホイールベース）と3ドアボディ（ショートホイールベース）が設定され、それぞれ2人乗りの荷室拡大仕様です。

　ランクルバンは、ハロゲンヘッドライト、スチールホイール、マニュアルエアコン、リアサイドウインドウはガラスの代わりにプレートをはめ込むなど装備を簡素化しています。

　また、スズキでは英国市場など「ジムニー」の2人乗り仕様を展開しており、「ジムニー ライトコマーシャル・ヴィークル（名称は国や地域によって異なる）」として展開。

　前述のトヨタ車と同じく、前席との間に金網を設置して荷室を拡大した商用車として販売されています。

　ほかにも、三菱「アウトランダー」などにも2人乗りの商用車が存在しますが、こうした2人乗り仕様が販売される背景に乗員空間と荷室空間を区切った2人乗り商用車は税制面で優遇されることから、各メーカーで設定されています。

　日本では、トヨタ「プロボックス」などが近しい存在といえるかもしれませんが、こちらは元々商用車として開発されたうえに後席も存在するため、日本でも人気のヤリス、カローラ、ランクル、ジムニーの商用車がラインナップされれば人気が出るかもしれません。