今なら大ヒット間違いなし!? 時代を先取りしたクロスオーバーな軽自動車
個性が光る軽クロスオーバーとは?
●三菱「eKアクティブ」
三菱の軽自動車「eKシリーズ」は2001年にはじまったシリーズですが、「eKワゴン」「eKスポーツ」「eKクラッシィ」に続く第4弾として2004年に登場したのが、SUV感を演出する装備を充実させた「eKアクティブ」です。
現在のSUVは乗用車などで使用されるモノコック構造が主流ですが、1990年代前半までは、クロスカントリー4WDなどで使用されるラダーフレーム構造がSUVでも主流で、王者「パジェロ」を有する三菱全盛の時代でもありました。
その黄金期で培われた本格派SUVのテイストを軽自動車にも盛り込んだチャレンジングな1台として誕生したeKアクティブは、大型の専用カラードバンパー(前後)やスキッドプレート風ガーニッシュ(前後のボディ下部)、ドアやサイドにもガーニッシュを装着。
さらに14インチタイヤを装着し、現在の「デリカD:5」にも通じるアウトドア感を演出していました。
グレードは660ccNAエンジン(50馬力)の「V」と、豪華な同ターボ(64馬力)エンジン搭載の「VT」の2種類。駆動方式はFFかフルタイム4WDが用意されました。
内装の意匠はeKスポーツと共用し、最低地上高もそれほど高くないなど、どちらかといえば「なんちゃって」に近いクロスオーバーではありますが、eKシリーズの実用性の高さを犠牲にすることなく雰囲気を楽しめる、乗りやすい1台になっています。
●スズキ「Kei」
軽自動車が得意なスズキにも、かなり古くからクロスオーバー的モデルが存在していました。それが1998年に登場した「Kei」です。
ちょうど軽自動車の規格が、現在でも採用されている全長3.4m以下に拡大することを受けて、これに適合した第1弾として、SUV風のクロスオーバーモデルのKeiがデビュー。
もともとKeiは、セダンとSUVの中間を目指して開発されたモデルで、乗降性の良さと高いヒップポイントによる良好な視界、それでいて立体駐車場に入るサイズ(全長3395mm×全幅1475mm×全高1545mm)を実現しました。
デビュー時は3ドアのみでしたが、翌1999年には実用性を高めた5ドアも追加。2000年にフロントデザインを一新したり、2006年にも手が加えられ、2009年の生産終了まで11年ものロングセラーモデルとなっています。
また1999年には3ドアをベースにしたスポーティモデル「Keiスペシャル」が誕生。2000年に軽スポーツの代表格「アルトワークス」の生産中止を受けて、軽スポーツ部分を背負うべく「Keiスポーツ」、さらに2002年には「Keiワークス」に進化するなど、クロスオーバーというより軽スポーツモデルとして認知された部分もあります。
そもそもクロスオーバー的発想で作られただけに、まさに乗用タイプ+SUV÷2的なモデルになっており、ハイトワゴンほどノッポではないものの頭上空間にも余裕があり、通常の軽セダンとは違う使い勝手を持っていました。
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登録車と比較してホイールベースが短い軽自動車だけに、最低地上高が上がるメリットは大きく、多少の段差も難なく乗り越えられます。
ハイトワゴンやスーパーハイトワゴンのように居住性も強く意識していない半面、適度な重心高で視界も良好。今後の軽自動車には、さらにクロスオーバーモデルが増えてくる可能性は高そうです。
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