タクシー料金の「値引き交渉」は違反強要? 運賃の無断変更がダメな理由とは
雨の日やお酒の飲んだ際に利用することも多いタクシー。料金支払時に酔った勢いで「値引き交渉」をおこなう人がいますが、これは違反行為の強要になる可能性があります。なぜタクシー料金の値引きはダメなのでしょうか。
タクシーの運賃は「公共料金」 勝手な値引き行為は法律違反に該当する場合も
街中で見かけるタクシー。ニュースなどではお客とのトラブルが報じられることも見受けられます。
そうしたなかで、タクシー料金の「値引き交渉」は法令違反になる可能性があるといいますが、どのような理由からなのでしょうか。
タクシーを利用する際、酔っ払った人などが運転手に直接「値引き交渉」をする可能性があります。
しかし、「特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」において、タクシー事業は地域の公共交通としての役割を担っているとして、鉄道やバスなどと同じ「公共交通機関」とみなされています。
そのためタクシー料金は、「公共料金」として国土交通省の認可により定められており、事実、国土交通省による「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金に関する制度について」によって、運賃と料金の種類から適用順位、割引の適用方法などが細かく決められています。
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会のホームページを見ても、公共料金とされるタクシーの運賃と料金は、原則公共交通機関の監督官庁の長である国土交通大臣に対して申請をおこない、かつ認可を受けなければならず、したがって認可されていない料金で運行するなどした場合は、法律違反に該当することとなります。
タクシーでの値引き行為について、大阪にある大手タクシー会社である株式会社未来都の担当者は以下のように話します。
「タクシーでの値引き行為は、道路運送法第10条で決められており、法律で禁止されています。そのため基本的にメーター運賃でお客さまにお支払いいただくようお願いしています」
一方で、タクシー業界の関係者は以下のように話します。
「本来ではタクシーでの値引き行為は法律違反になりますが、現実問題ではワンメーター80円について値引いてくれといった声や、運転手の迂回や不手際によって対応が変わる場合が多いという声を聞きます。
とくに、泥酔している人を乗せる機会が多い夜間には、値引きについていわれることが多いようです」
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