タクシー料金の「値引き交渉」は違反強要? 運賃の無断変更がダメな理由とは

タクシーの値引きなど、実際に道路運送法違反で処罰されたケースは?

 鉄道などの公共交通機関と同じ立ち位置にあるタクシー事業の運賃や料金は、国土交通省の査定および認可を受けることで適正な価格となるよう規制されています。

 そのため、タクシーの運転手が定められた料金の支払いを乗客に求めることは、適正なタクシー事業の運営のためにも、法令遵守のためにも必要不可欠な行為といえるでしょう。

 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会のホームページにも「運行途中でタクシーメーターを停止し運賃を値引きすることや、定められた料金(迎車、時間指定など)をお客様から頂かないことは法令違反となります」とあることからも、法令違反につながってしまうタクシー運賃や料金の値引き交渉にタクシー事業者が苦慮している可能性がうかがえます。

 実際にタクシー会社やタクシー乗務員が勝手に乗車料金の値引きをおこなった場合、道路運送法第10条(運賃又は料金の割戻しの禁止)で「一般旅客自動車運送事業者は、旅客に対し、収受した運賃又は料金の割戻しをしてはならない」とあるのに違反したとみなされて営業停止などの厳しい処分が下される場合があります。

酔った際でもタクシー料金の「値引き交渉」はNG!
酔った際でもタクシー料金の「値引き交渉」はNG!

 例えば、2008年には「居酒屋タクシー」が大きく話題になりました。

 この居酒屋タクシーとは、現金・金券類やビールなどの飲食物を乗客に提供していたタクシーのことを指し、当時利用していた公務員が違法行為に問われるなどして、ニュースや新聞にも取り上げられました。

 この居酒屋タクシーのケースは、最終的に乗客だった公務員の一部に対して文書厳重注意の処分などがおこなわれたほか、タクシー事業者も道路運送法第10条に規定されている運賃の割戻禁止規定に抵触したとみなされて、営業停止などの厳しい行政処分を下される結果となっています。

 居酒屋タクシーのようなケースは珍しいかもしれませんが、例えば、乗客からの値引き交渉に対して、つい善意で応じて料金を値引いてしまったような場合でも、そのタクシードライバーやタクシー会社が道路運送法違反による行政処罰を受けてしまう可能性は否定できません。

 また、実際に料金が値引かれることはなかったとしても、交渉すること自体がタクシードライバーに対して法令違反を強要することにつながりかねず、例えそのようなつもりはないとしても、タクシーを利用する際にはそのことに十分留意する必要があるといえるでしょう。

※ ※ ※

 公共交通機関のひとつとみなされているタクシーの運賃や料金は「公共料金」であり、したがって国土交通省の許可なく料金を変更することは道路運送法違反に該当する可能性が高いです。

 そのため、タクシーの値引き交渉はおこなうべきではないでしょう。

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