パチンコ店が5年で450人の子どもを救出!? 熱中症だけじゃない車内放置による「命の危険」とは
毎年、夏になると車内に子どもを放置する事件が報道されます。高温状態の車内に取り残されて熱中症や最悪の場合は死に至るケースもありますが、実際にはどのような実態なのでしょうか。
全国のパチンコ店。5年間で車内放置された450人の子どもを救出!
夏場の車内はエンジンを停止している状態だと、数分で高温となり危険です。
毎年、車内に子どもや高齢者が取り残されて、熱中症になったり最悪の場合、死に至るケースも報道されています。
そうしたなかで、全国のパチンコ店などは車内に人が取り残されないような事故防止対策をおこなっているといいます。
全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)をはじめとするホール関係5団体では、2013年1月から子連れでのホール駐車場への入場を禁止し、警備員や駐車場スタッフによる駐車車両の巡回をおこなうなどして積極的に「子どもの事故防止対策」に取り組んでいます。
子どもの車内放置は「児童虐待行為」に当たるため最初から「子連れ来店」そのものを禁止するキャンペーンを全国規模で実施していますが、それでも、いまだにパチンコ店に子連れで来て、子どもを車内に置いたままで遊戯をする保護者は後を絶ちません。
全日遊連の調査によると、2015年度からの「救出」(事故未然防止)された子どもの数は合計で450名。
2015年度47名、2016年度34名、2017年度104名(うち死亡事故2件・2名死亡)、2018年度130名、2019年度135名で、2017年度以降は年間100名以上の子どもが救出されている実状があります。
また、報告には数字だけではなく、事案すべてにおいて、発生地域、発生日時、天気と気温、被害児童等の人数や年齢、そして「誰が放置したのか?」など、父親、母親、祖父、祖母などが年齢(不明の場合もあり)と共に記載されています。
また「概要」には、「どのような経緯で発見されたのか?(ほかの来店客からの通報など)」、「発見されたときの状況(施錠していたか、エンジンはかかっていたか、エアコンは作動していたかなど)」や「子どもの様子」、「保護者はその時どこにいたのか」、「店内呼び出しで何分後にクルマにもどってきたのか」などが詳細に記載されています。
一例として、愛知県内で2021年 5月10日19時00分頃に発生した事案では、3歳前後の女児が次のような状況で保護されました。
「駐車場巡回の際、施錠された車内後部座席に座っている女児を発見。直ちに店内放送にて保護者を呼び出したところ遊技中の両親を特定。
父親が先に来店、その後、母親が来店し、1時間程度遊技をしていた。(警察への通報は無し。同月25日にも時間差で両親が来店したため、店長が不審に思い声かけをおこなった結果、幼児を車内に放置して遊技しようとしていた事案も発生していた)
後日、組合からは両名の来店禁止、警察への通報について指導を行った」
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そして恐ろしいのはクルマのカギを掛けない「未施錠」の状態で車内に残されていたケースも多数あることです。
2018年度は報告数101件(130名)のうち42件、2019年度では同じく報告数99件(135名)のうち49件とほぼ半数に上っています。
パチンコ遊戯中の父親を別の保護者(主に母親)と子どもが一緒に車内で待っていたり、中学生以上のきょうだいと一緒に車内で遊んでいたりというケースもあります。
さらには、1歳児が単独で未施錠の車内に寝かされていたり、幼児だけの兄弟で保護者の帰りを待っていたというケースも少なからずあるようです。
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