SUV&ミニバンは横風に注意! 車高が高いほどなぜ影響ある? 突然の風はどう対処すべき?
SUVやミニバンは人気のジャンルですが、セダンやコンパクトカーと比べて横風の影響を受けやすいといわれています。では、横風時にはどのような影響があり、対処はどうすればいいのでしょうか。
SUV&ミニバンは横風に弱い?
夏から秋にかけて台風が日本列島周辺に多く発生し、雨や風が運転に影響を与える可能性があります。
とくに、風はハンドル操作を大きく左右するほどの影響がありますが、比較的に車高が高いSUVやミニバンではどのような影響が考えられるのでしょうか。
SUVやミニバンの車高が高い理由はそれぞれ異なり、SUVはほかのセダンやコンパクトカーと比べて悪路走破性能を重視していることから、最低地上高を高く設定しています。
一方でミニバンは、最低地上高はセダンやコンパクトカーとそれほど変わらないものの、多人数乗車や積載性、快適性を重視するために室内高を高く設定することで室内空間を広く使うために車高が高くなっているのです。
例えば、トヨタのコンパクトカー「ヤリス」とコンパクトSUV「ヤリスクロス」は同じプラットフォームを用いたモデルですが、ヤリスの全高は1500mm-1515mmなのに対して、ヤリスクロスは全高1590mmと異なっていることがわかります。
SNSでは、「SUVは風の影響を受けやすく、ハンドルを握る手に力が入る」「ミニバンは高速で横風にあおられやすい」といったように、SUVやミニバンは風の影響を受けやすいという声が多く見られています。
風による影響について、気象庁によると風速10m/s以上-15m/s未満では「高速運転中では横風に流される感覚を受ける」、15m/s以上-20m/s未満は「高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる」と説明。
さらに、20m/s以上では「通常の速度で運転するのが困難になる」、25m/s以上は「走行中にトラックが横転する」と風速により影響が異なっています。
また、ボディタイプでの違いについて、JAF東京支部の広報担当者は次のように話します。
「横風を受けやすいクルマは、横からクルマを見たときの面積が広く、重心が高いほうが影響を受けやすいとされています。
仮に、セダン、コンパクトカー、SUV、ミニバンの4つのタイプを比べた場合には、横の面積が大きいミニバンがもっとも影響を受けやすいといえます。
しかし、重心の位置はそれぞれ異なるので、車種によっても変わってきます。
ただ背の高いクルマは、通常のクルマに比べて比較的風の影響を受けやすいので、クルマの運転姿勢をしっかりと保つことが大切です」
また、横風を受けやすい場所についてJAFは「湾岸などの吹きさらしの道路や、トンネルの出口、切り通しの切れ目、橋の上」などで注意が必要と呼びかけています。
速度域が高い高速道路ではより注意が必要といえ、NEXCO東日本が運営する「ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ」では次のような呼びかけをおこなっています。
「お客さまに風の強さをお知らせするため、橋の上やトンネルの出口など、風が通りやすいところには、この吹き流しが設置されています。
鯉のぼりと同じで、風が強ければ強いほど吹き流しは横になびき、風速10m/sで概ね真横になびくようになります」
なお、横風への対応としては速度を落とすことで風の影響を少なくすることがハンドル操作を保ちやすくする手段です。
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最近のSUVでは横風に対応する安全機能も採用され始めており、トヨタでは前述のヤリスクロスから車線からの逸脱を抑制して安全な走行をサポートする「横風対応制御付きのS-VSC」を搭載するなど、クルマ側の機能も進化しています。
しかし、運転手自身が予め横風が発生しやすい場所などを予測しておくことも重要といえます。
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