街乗りもできるレーシングカー! マクラーレン「720Sスパイダー」ってどんなクルマ?
一般道ではそのパフォーマンスを味わうことは難しいが扱いやすさもある
パフォーマンスが凄いことは、その姿を見てもわかります。
1930mmの全幅で1195mmの全高ですから、地を這うような姿勢です。
マクラーレンが凄いのは、外から見えるところだけでなく、ボディの床下の空気の流れも制御しているところです。空気抵抗を減らすだけでなく、ダウンフォースを出して高速での安定性を高めています。
迫力あるボディデザインに強烈なパフォーマンスを発揮するエンジンを搭載したスーパーカーはさぞかし運転が難しそうに思えるが、実際にマクラーレン720Sを運転すると、その扱いやすさによりジャジャ馬でないことがすぐに理解できます。
具体的にいえば、アクセルペダルやブレーキペダル、ハンドル応答性のゲインがさほど高くないのです。つまりアクセルをちょっと踏んだだけでビューンと走ってしまうのではなく、アクセルペダルの踏み込みが小さいとゆっくり加速していくので、ドライバーはビクビクする必要がないのです。
じつは、レーシングカーのアクセルペダルのゲインは、想像するより低いです。そうでないとデリケートな操作ができないからです。
ブレーキも同様で、ペダルを踏み込むと非常に剛性が高いことが、最初のひと踏みをしたときからわかります。これもレーシングカーと同じで、ブレーキの強さをペダルストロークではなく、ペダル踏力でコントロールするという考え方がレーシングカーと同じなのです。
ですので、一般的な乗用車のブレーキフィールと比べるとちょっと効きが悪いような感触ですが、踏み込めばその力に比例して制動力も増していくのでとても扱いやすいのです。途中の踏み増しでも、踏力の変化だけでコントロールできることからタイムラグがないので、レーシングカーと同じようにスパースポーツカーを操るのにも適しています。
Dレンジに入れてオートモードで走っても楽なドライブが可能ですが、パドルシフトを使って走るとさらに迫力ある走りができるようになります。
タコメーターは7200rpmくらいからレッドゾーンになりますが、一般道ではそこまで回すことが難しいです。それほどパフォーマンスは高いということです。アクセルペダルを深く踏み込めば、シートバックに身体を押し付けられる加速が感じられます。
今回乗った720Sスパイダーは屋根が開きます。電動で動くため、センターコンソールのスイッチひとつで簡単に操作できます。
かかる時間は閉めるのも開けるのもたった10秒間です。屋根を開けても閉めてもボディ剛性の感触は変わりません。もの凄く高い剛性感を感じられます。これはカーボンボディのメリットでしょう。これもレーシングカーと同じです。
一般道でレーシングカーを運転したいなら、マクラーレン720Sはまさにそのクルマです。
McLaren 720S Spider
マクラーレンGT
・車両価格(消費税込):3930万円
・試乗車オプション込み価格:4280万3000円
・全長:4545mm
・全幅:1930mm
・全高:1195mm
・ホイールベース:2675mm
・車両重量:1530kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
・排気量:3994cc
・駆動方式:MR
・変速機:7速SSG(DCT)
・エンジン最高出力:720ps/7500rpm
・エンジン最大トルク:770Nm/5500rpm
・タイヤサイズ:前245/35R19、後305/30R20
タコメーターは7200rpmくらいからレッドゾーンになりますが、
⇒最高出力(7500rpm)はレッドゾーン内ですか。