タイミングが分からない! 免許返納は簡単な話では無い? 自主返納の判断はいつするべきなのか
交通手段の少ない地域、免許返納を高齢運転者はどう考える?
では、公共交通機関が完備されていない地域の高齢運転者は、免許返納についてどう考えているでしょうか。
東北地方に住む86歳の男性は、免許返納について以下のように話します。
「私たちの生活にとってクルマは欠かせない存在です。スーパーに行くのはもちろん、農作業もしているので畑へ向かうためにも使用しています。
しかし私は最近視力の低下を感じているため、今年中に免許を返納することに決めました」
この男性の居住地域では、最寄りの駅まで徒歩1時間以上、バスも1日の本数がとても少ないそうです。
また、男性の孫は免許の返納について次のように話します。
「祖父は86歳と高齢ではありますが、外から見ていても運転にとくに問題があるように思えず、事故を起こしたこともないので正直、返納しなくても…という気持ちもありました。
しかし、近年の高齢運転者の事故をうけて自ら返納を決めてくれたことは、とても素晴らしいことだと感じていますし、ありがたい判断だと思います」
この男性は隣町にある病院へ通院しているようですが、今後はタクシーを予約したり、バスや電車などの公共交通機関を組み合わせて移動するといいます。
クルマを本当に必要としている地域があるなかで、都心部などの電車やバスといった公共交通機関がかなり発達している地域もあります。
自分自身が大丈夫だと認識していても、身体機能や認知機能の低下は年齢とともに無自覚でおこっている可能性があるかもしれません。
少しでも運転に不安を感じたら、この男性のように自ら免許返納を選ぶこともひとつの勇気ある決断であるといえるでしょう。
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前述のとおり、高齢運転者による交通事故は年間約3万件も発生しています。
とくにクルマ以外の公共交通機関が発達している都心部では、積極的にバスや電車を使うなど、無理にクルマを運転しないという選択肢も考えられます。
事故のなかには防ぐことが難しいものもありますが、自身や身内の運転に不安を感じたら免許返納を検討するのもひとつの効果的な方法として検討できるかもしれません。
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