タイヤ&ホイールは大きくなるほどカッコいい! インチアップの良い点・悪い点とは
燃費と乗り心地の悪化の可能性も インチアップの注意点とは
インチアップするメリットは多く、何よりルックスも良くなるので満足度も高いカスタム手法だといえます。
ただ、メリットばかりでないのがカスタムの難しいところ。インチアップにはデメリットもあるため、正しいサイズのホイール&タイヤを選んでも必ずしも自分が求めた方向性にいかないケースもあります。
埼玉県にあるタイヤショップのスタッフ I氏に話を聞いてみました。
I氏によると、インチアップ自体はメリットも多く、好みに合わせてタイヤの性能を上げることもできるのでおすすめする一方、やはりデメリットも考慮しなくてはいけないそうです。
「インチアップによって偏平率が下がると、タイヤのたわみが減る分、乗り心地が硬くなり、それまでは柔らかく乗り越えていた段差をガツンと感じるようになることもあります。
また、インチアップのときにタイヤの幅も少し太くする人が多いのですが、接地面が増えるため路面の凹凸を拾いやすくなり、轍にハンドルが取られやすくなることもあります」
同じクルマでも17インチが標準で、オプションで18インチ装着車がある場合、乗り心地的には17インチのほうが柔らかく感じるケースが多いようです。
「偏平率が下がるほど、タイヤのたわみを利用した衝撃吸収性は低くなります。サスペンションへの負荷は増えることになりますので、中古車の場合は、劣化したダンパーやサスへの負担を減らす意味でも偏平率の高いタイヤのほうが乗り心地もクルマに対しても優しいといえます」(タイヤショップのスタッフ I氏)
またインチアップすることで意外に気になるのが、タイヤとホイールハウスとの隙間です。
ホイールが大きくなりタイヤが薄くなることで、それまでは黒いタイヤで隠れていたホイールハウス内が見えるようになります。そうなると、インチアップでカッコ良くなったはずなのに、足元がスカスカしているような錯覚に陥ることも。
「タイヤとホイールアーチとのクリアランスが目立つようになってしまうのもデメリットのひとつかもしれません。そのまま乗っても問題ありませんが、クリアランスの幅を狭めるためにはローダウンサスなどで車高自体を調整する必要があります」(タイヤショップのスタッフ I氏)
そしてインチアップで避けて通れないのが燃費の悪化です。タイヤが大きくなって接地面が増えるほど、そのぶん抵抗も増えているということになります。
「どうしても摩擦抵抗が高くなってしまうので、燃費が悪化してしまうケースが多いようです。エコカーの標準タイヤに細めのものを採用しているのも、転がり抵抗を減らすためでしょう」(タイヤショップのスタッフ I氏)
また、偏平率を下げたタイヤは、標準装着タイヤより空気圧を高めにする必要があります。
さらに「ロードインデックス」と呼ばれるタイヤの最大負荷能力を示す指数も標準より高いものを選ばないと、負荷によってタイヤの損傷を早めてしまうといいます。
「あとは、インチアップしたホイールとタイヤがフェンダー内にしっかり収まっているのかもチェックが必要です。大径ホイールで見た目は格好良くなっても、ハンドルが十分に切れにくくなると運転にも支障が出てしまいます。
ただ闇雲にインチアップすればいいというわけではなく、走行性能を高めたいのか、乗り心地を重視したいのか、ドレスアップ効果をどれくらい狙いたいのかによって、サイズやホイールデザインを選ぶといいと思います。分からないことは専門店のスタッフなどに相談してみていただければと思います」(タイヤショップのスタッフ I氏)
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ホイール&タイヤの交換はすぐに効果が実感できるし、見た目にも大きく影響する手軽にできるカスタムですが、適正サイズ以上に大きくしたり太くすると、せっかくのクルマのポテンシャルを発揮できなくなる可能性があります。
ただ、「乗り心地や燃費を犠牲にしてもルックスにこだわりたい!」というのも立派なカーライフ。
ただ見た目にこだわるなら、我慢も必要になるということを理解したうえで、カスタムを楽しみましょう。
インチアップの心得。
タイヤ空気圧も要変更。
tire.ma-jide.com
タイヤ代を考えると大口径ホイールなんて履けないですわ。
最近はアジアンタイヤもあるからわりと安価で買えるけど、国産タイヤはキツいな。