トヨタ新型「アクア」最速試乗! ヤリスとは全く違う! 新世代ハイブリッド車の実力とは

ヤリスと明確に違う新型アクアの「走り&乗り心地」はいかに?

 パワートレインは、1.5リッター直列3気筒+モーターのハイブリッド(THS II)と基本的なシステムはヤリス(ハイブリッド)と同じですが、バッテリーは世界初となるバイポーラ型ニッケル水素電池を採用しています。このバッテリーの特徴のひとつとなる「大電流が流しやすい」がアクア独自の走りを生んでいます。

 では、何が違うのでしょうか。

 スペック的にはエンジン(91馬力/120Nm)、モーター(80馬力/141Nm)とヤリスと同じですが、実際に乗ると新型アクアのほうが力強さを感じます。

 具体的にはEV走行が40km/hくらいまで持続(ヤリスは20-30km/hくらい)、ハイブリッド走行時のアシスト量も増しているなど、「電動感」が高いのです。

 ちなみに初代はノーマルモード時も「これはエコモードなの?」と勘違いするほどかったるい印象でしたが、新型は「エコモードで十分でしょ!」と断言できるレベルに進化。

 むしろ、POWER+モードにすると「アクアにしてはやりすぎ!?」と感じてしまったくらいレスポンスが良くかつパワフルです。

 その結果、通常走行ではエンジンがうなるようなシーンはほとんどない(=高い回転数を使わない)うえに、遮音性の高さも相まって静粛性も非常に高いレベルです。

 これだけ静かなら、「JBLオーディオを奢ってもよかったのでは?」と思ったくらいです。

 燃費はスペックを見るとヤリスのほうが上ですが、日常的な実燃費では新型アクアのほうが高いでしょう。

 今回、テスト車両をピックアップした東京・九段下から神奈川・東扇島まで交通の流れに合わせた走行で35km/L超えを記録。もし、本気でエコランを試してみたら、40km/L代も夢じゃないかもしれません。

 そして新型アクアのPOWER+モードにトヨタ車初の「快感ペダル」が採用されています。

 日産のe-POWERでおなじみのアクセル操作のみで加減速ができる制御(新型アクア・新型ノート共に完全停止はしない)ですが、アクセルOFF時の減速感はメリハリがある設定で、応答性重視&加速感強めのエンジン制御と相まってリズミカルに走ることが可能です。

 ただ、個人的にはPOWER+モードのみの特権ではなく、エコ/ノーマルと組み合わせられるようなON/OFF機能があってもいいように感じました。

 ヤリスと同じGA-Bプラットフォームを採用しますが、フットワークはアクア専用のセットアップ(スウィングダンパー採用など)に加えてGA-Bとしての進化分(第3世代EPS制御など)も反映されています。

 乗る前から初代に対して大幅にレベルアップされていることは確信していましたが、驚いたのはその乗り味です。

 乗る前は「ヤリスを洗練した感じなのかな?」と思っていましたが、実際にはパワートレイン以上にアクアの独自性を感じました。つまり同じ素材でも「味」は明確に違っていたのです。

 具体的に説明すると、ステアリング系は軽めの操舵力でダイレクト感よりも滑らかさを重視した味付けですが、ヤリスよりも薄皮が一枚剥がれたような直結感(タイヤの情報が正確かつ的確に伝わる)はGA-Bトップレベル。

 ハンドリングは操作に対して忠実、コーナリングの一体感などヤリス譲りの基本性能の高さを実感しましたが、「軽快/キビキビ」なヤリスに対して、新型アクアは「穏やか/シットリ」としたクルマの動きと、ヤリスよりもワイドトレッド&低重心に感じるような落ち着きの良さを感じました。

 そういう意味ではメリハリよりも連続性を重視したハンドリングと、まさにトヨタ「GR86」とスバル「BRZ」の違いに似ているなと。

電動感が増した新型アクア! 上質な走りが特徴となる
電動感が増した新型アクア! 上質な走りが特徴となる

 乗り心地は路面凹凸判定機のような初代と比べると雲泥の差です。

 最上級のZのみに採用されるスウィングバルブダンパーの効果はテキメンで、オプションの16インチタイヤを感じさせない凹凸を乗り越える際のアタリの優しさや「スッ」とではなく「ジワーッ」と抑える吸収性など、上級コンパクトを彷彿とさせる質の高い乗り心地を実現しています。

 それ以外のグレードはヤリスに採用された低フリクションダンパーを水平展開(もちろんアクア専用セット)しますが、「16インチでハンドリングと乗り心地のバランスを取った(アクア開発メンバー)」ということもあり、より乗り心地に有利に働く15インチタイヤとの組み合わせは16インチに負けず劣らず。

 強いていえば、16インチはドイツ車的、15インチはフランス車的なイメージです。

 新型アクアは、ヤリスとは明確に異なる「走りの味」とハイブリッド専用車としての「さらなる強み」を備えた1台だと感じました。

 さらに豊田章男社長がこだわる「味づくり」が、より身近でアフォーダブルな価格帯のモデルでもシッカリ活きるようになった部分は、喜ばしいことです。

 ちなみに「アクア=水」を意味しますが、新型アクアはまさにすべてがバランスよく整えられた「澄んだ水」のようなクルマだと思っています。

 ただ、澄んだ水は「色」が付けやすいということもあり、例えば「GRスポーツ」や「クロスオーバー」なども今後期待したいところです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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コメント

2件のコメント

  1. そんなに静かじゃないのによくここまで書けるね

  2. もはやこのクラスはノート一択じゃないのかな。
    新しい何かが全く感じられない。トヨタの慢心が作り上げた車。