165万円のトヨタ超小型「シーポッド」を800円でレンタル! 小型EVの乗り心地はいかに

トヨタの超小型EV「C+pod(シーポッド)」が横浜都心臨海部で新モビリティとしてショートタイムレンタカーでのサービスが2021年7月22日からスタートしました。先行して試乗した印象はどのようなものだったのでしょうか。

トヨタ超小型「シーポッド」の乗り心地はいかに

 トヨタは、2020年12月25日に超小型EV「C+pod(以下シーポッド)」を法人ユーザーや自治体などを対象に限定販売を開始した。
 
 そうしたなかで、神奈川のトヨタ系販売会社とトヨタレンタリース横浜が共同でシーポッドを使ったショートタイムレンタカーを7月22日から開始したという。
 
 先行して横浜の街中をシーポッドで試乗したがどうか。

ドヒャ! トヨタの超小型EV「C+pod(シーポッド)」が1時間800円で乗れる!
ドヒャ! トヨタの超小型EV「C+pod(シーポッド)」が1時間800円で乗れる!

 あと10年もすれば、電気自動車は価格でも実用性でもガソリン車と同じようになり、普通のクルマになっていく。

 一方、現時点で考えたら依然として圧倒的にガソリン車優位となっている。

 となると気になるのは、突如ガソリン車と同等レベルの電気自動車が登場してくるのか、それともジワジワと切り替わっていくのか、です。

 今回紹介するシーポッドは後者の典型例だと思う。

 2022年に正式発売するときの予価165万円と軽自動車より高額。性能的にも届いていない。

 そんなこともトヨタは100%解っているため、官公庁やレンタカー用として走らせ、育てていこうという作戦。繰り返すがトヨタも165万円で売れるとは考えていないだろう。

 ということで冒頭のショートタイムレンタカーは、観光客のニーズを狙った横浜新都心臨海部にある7店のトヨタレンタカーで借りることができる。

 地域の鉄道駅至近にあるトヨタレンタカーにおいて、「1時間まで800円/12時間まで4800円」で貸し出すというもの。

 横浜観光だけなら2時間も借りれば十分。訪れたい場所を決め、電車やバスでアクセスすればいい。

 電気代は無料。使った状態で返却すればOK。また、万一の事故に備え、330円払うことですべて免責になる(車両や対人&対物はレンタル料金に含まれる)。

 ネットでも予約出来るため、横浜観光にいくのならぜひ使ってみたらいいと思う。横浜の道路、山手の方に行くと案外狭いため、シーポッドのように小回り効くクルマは便利です。

 ではシーポッドの試乗レポートにいきましょう。

 乗り込むと当たり前ながら狭い。全長2490mm×全幅1290mm×全高1550mmと軽自動車規格の全幅1480mmより190mm狭いのだから当然か。

 一緒に乗るのが家族や友人なら狭いというより楽しいかもしれない。

 前後方向には余裕があるため、身長183cmの私(国沢光宏)でも好みのドライビングポジションを取れます。ちなみに2人乗りです。

 エアコンやナビなど、必要と思われる装備はすべて付いてます。回転するノブを回してDレンジをセレクト。

 パーキングブレーキを離し、アクセル踏めば動き出す。どんな走りなのかといえば、三菱「i-MiEV」に代表される軽自動車のレベルには届いていない。そもそもアクセル踏んだときの走り出しがノンビリしています。

 リアに配置したモーターの音も少なからず聞こえる。モーター音、速度の上昇と共に変化するのだけれど、ギアノイズも交じりあまり質感ありません。

 アクセルのオンオフで駆動系の遊びも感じる。さらにコギング(モーター軸を手で回すとカクカクする。これをコギングといいます)まで出てます。

 総合的にどうかとなれば、トヨタというエンブレムを付けている乗り物とは思えない完成度だったりする。

 さらにパワステ無し。ブレーキタッチも硬め。繰り返すがi-MiEVのような普通の軽自動車をイメージして乗ると「厳しいですね」ということになる。

 もちろんトヨタだって解っているに違いない。だからこそ個人向けを含めた本格販売については2022年の予定なのだろう。

絶対的な動力性能は超小型モビリティの最高速が60km/hと決められているため、ノンビリしている。

 最高速を100km/hくらいにして60km/hでリミッターを掛けてやればいいのだろうが、実力的にも60km/h+αというイメージ。

 60km/hまでもう少し短い時間で到達すると街中での実用性や乗りやすさを確保出来ると思う。

 ということで車両自体は「残念」のレベルながら、シーポッドに乗って横浜の街を走っているとノンビリした気持ちになって楽しい。

 横浜など観光地でのレンタカーとしては最高だと思う。山下公園店舗の発着でシーポッドが行ける範囲では、クルマじゃないと行きづらいサザンの名曲「思い出のスター・ダスト」やドラマ「あぶない刑事」に出てくる瑞穂埠頭前のスター・ダスト。

 さらに、荒井由実さんの「海を見ていた午後」で唄われている山手のドルフィンなども行ける。

 どちらも長い時間居て楽しい場所じゃ無いため、シーポッドで訪れる地として好適だと思う。

 そのほか、横浜には名所名跡が多数。新型コロナ禍が落ち着いたら、新しい乗り物の未成熟具合も楽しみながら横浜ドライブなどいかがでしょうか。

【画像】こりゃいいね! 街中で快適なシーボットを見る!(35枚)

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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