ガソリン価格はなぜ上昇? コロナ禍のなか高騰を続けるその理由とは
ガソリン価格が高騰しています。2021年に入ってからは上昇を続け、同年7月12日時点でのレギュラーガソリン小売価格の全国平均は158円と、およそ2年8か月ぶりの高値水準となっています。東京などでは4回目の緊急事態宣言が発出されている状況のなか、なぜガソリン価格は上昇しているのでしょうか。
レギュラーガソリン1リッターの全国平均はいま160円近い
現在、ガソリン価格がじわじわと上昇を続けています。
2019年末から2020年初頭にかけて値上がりし、2020年1月20日には151.6円(レギュラーガソリン1Lあたり全国平均/石油情報センター調べ。以下同)だったガソリン価格は、コロナ禍の拡大で2020年5月11日に124.8円まで下落。その後、秋口まで133円から135円前後の水準が続きました。
しかし2020年10月からガソリン価格は値上がりに転じ、ほぼ一本調子の上昇となります。そして2021年3月には150円台に乗せ、直近の7月12日には158円と、160円台をもうかがう状況になっています。
その理由について、石油情報センターは以下のように話します。
「日本のガソリン価格を決める最大の要素は、ガソリンの原料となる原油の輸入価格です。今回のガソリン高の背景には、その原油価格の高騰があります」
しかしコロナ禍の影響で、2020年4月には原油の先物価格が史上はじめてマイナス(販売者が購入者にお金を払って原油を引き取ってもらう)となったことが大きなニュースとなりました。なぜここにきて、原油価格が高騰しているのでしょうか。
「ワクチン接種が進んだこともあり、欧米を中心にコロナ禍からの景気回復が順調に進み、それにともない石油の消費も伸びています。そうした需要の動向が、原油価格に反映されているのです」
さらに、原油価格の先高感を見込んだ投機資金の流入も、要因のひとつとして挙げられるそうです。
「世界的にはコロナ禍の影響による金融緩和が続いており、いわば“金あまり”の状況です。一方、コロナ禍からの景気回復が進めば、原油価格はさらに上昇を続けることになるでしょう。つまりそうした考えから値上がりで利益を得ようとする投機的な資金が原油先物市場に流れ込んでいることも、今回の原油高の要因のひとつに挙げられます」
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