人気車「アクア」10年ぶり刷新 新型は何が変わった? ヤリスと異なる進化とは
GRやレクサスの「走り」を新型アクアにも投入!?
プラットフォームも刷新、ヤリス/ヤリスクロスに続いてTNGA「GA-B」を採用していますが、骨格結合体の最適化や超高張力鋼板の採用などアクア用に最適化により、さらなる軽量化と高剛性を実現。
サスペンションはフロント・ストラット/リア・トーションビームで、新たにスウィングバルブショックアブソーバーを採用。
これはサスペンションの動きだし初期から適切な減衰力を発生させることが可能な構造で、電子制御に頼ることなる「意のままの操縦性」と「フラットな乗り心地」を高いレベルで両立させるメカニカルなショックアブソーバーの一つの理想形です。
これまで「マークX GRMN」やレクサス「ES/LS」などに採用例があり、どのモデルも「なるほど!!」といえるフットワークを実現していますが、コンパクトカーへの採用は初。
筆者はアクアのキャラクターを考えるとヤリスよりも快適性のみならず動的な質感を高めたコンパクトカーらしからぬドッシリした味付けだと予想していますが、この辺りは実際に乗ってから結論を出したいと思っています。
車両重量は初代の1060kgから1090kgに対して1080kgから1130kgと若干重くなっていますが、より厳しさを増す衝突安全への対応や初代より確実にレベルアップしている動力性能とフットワークを考えれば、誤差の範囲内といっていいかもしれません。
安全支援デバイスも大きくアップデートされ、最新の「トヨタ・セーフティ・センス(TSS)」を搭載。
対応範囲を拡大した「プリクラッシュセーフティ」や「全車速追従型クルーズコントロール」、「ステアリング操舵支援(LTA)」などに加えて、後方接近車両に加えて周囲静止物にも対応する「パーキングサポート」(トヨタ初)や停車時警報機能付の「ブラインドスポットモニター」(トヨタコンパクトクラス初)など、新機能もプラスされています。
さらにヤリスで話題となった高度駐車支援機能(アドバンスドパーク)は、シフト操作も制御してくれる進化版になります(トヨタコンパクトクラス初)。
その実力はヤリスで試して「感動パーキング」と呼びたいくらいの仕上がりなのを確認済みなので、心配なしです。
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価格(消費税込)は2WDが198万円から240万円、4WD(E-Four)が217万8000円から259万8000円となっています。
初代は181万8300円から212万6300円なので若干アップしていますが、動力性能と燃費のバランス、走りの進化、安全システムや装備の充実などを考えると、事実は値下げといっていいと思っています。
月販目標台数は9800台とかなり控えめな数値は気になる所ですが、初代同様にヒット作となるのは間違いないでしょう。
パーソナルなヤリス、オールランダーなヤリスクロスに加えてファミリアルなアクアの登場により、トヨタ最強のコンパクトカートリオの完成です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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