高値安定はまだまだ続く? 世界で人気のスポーツカー5選
欧州車で価格高騰が続いているモデルとは?
●ポルシェ「911」
クラシックなフェラーリやランボルギーニの価格高騰は凄まじく、今や天文学的な価格で取り引きされており、もはや美術品と同等の扱いです。
このフェラーリやランボルギーニの価格高騰は10年ほど前から始まりましたが、そもそも販売台数が少ない希少なモデルのため、活発な取り引きとまではいえませんでした。
そのため、次にバイヤーのターゲットとなったのがポルシェ「911」の空冷モデルです。
911は1964年に第1世代が誕生。1974年に第2世代、1989年に第3世代、そして1993年に登場した第3世代までが、空冷エンジンを搭載。
この空冷モデルはどの世代も世界的に人気ですが、とくに注目されているのが限定車で、日本のファンの間では通称「役モノ」と呼ばれています。
なかでも第3世代の「964型」は日本がバブル景気だった頃に販売され、世界的にも販売台数が多く、限定車も多数存在します。
また、964型はクラシカルな911の雰囲気を残しつつも、パワーステアリングや、ちゃんと「効く」エアコン、トルコンATを初めて搭載したことなどから、普段使いもこなせるというのも人気の理由です。
とくに前述のNSXタイプRのようにサーキット走行に対応した「カレラRS」や、特別なオープンモデル「スピードスター」、モデル末期に登場した「ターボ3.6」が、今も海外では高額で取り引きされています。
●ランチア「デルタ HFインテグラーレ」
日本を代表するラリーマシンといえば、三菱「ランサーエボリューション」とスバル「インプレッサ WRX」が挙げられますが、この2台よりも早くにデビューし、世界ラリー選手権(WRC)を席巻していたのがランチア「デルタ HFインテグラーレ」です。
デルタは1979年にオーソドックスなFFコンパクトカーとして誕生。このデルタをベースにしたマシンでWRCに参戦するため、1986年にはアバルトの手によって開発された「デルタHF 4WD」を追加ラインナップしました。
そして1987年シーズンからWRCに参戦を果たし、1988年には出力を向上した「デルタHF インテグラーレ」が登場。サイズアップしたホイールとタイヤを収めるために、前後ブリスターフェンダーとしたワイドボディを採用して迫力ある外観に変貌します。
その後、1992年にはさらにフェンダーを拡幅し、最高出力210馬力を誇る「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネ」が誕生。WRCでは6年連続でメーカータイトルを獲得するなど、当時のデルタは最強を誇りました。
欧州では古くからWRCの人気が高く、参戦する車両もイメージアップにつながって、デルタだけでなくランサーエボリューションやインプレッサ WRXは、今でも欧州で高い人気を誇っています。
なかでも最終モデルに近いデルタ エボルツィオーネ/エボルツィオーネIIは、ここ最近、急激に価格が上昇し、欧州では日本円で1000万円前後の価格で取り引きされています。
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クラシックカーやネオクラシックカーの価格高騰の理由のひとつに、新型コロナウイルス感染症拡大があります。
コロナ禍で世界的な経済への打撃があったにもかかわらず、一部の富裕層は旅行やファッション、パーティにお金が使えないことから、余った資金をクルマへの投資に回したというのです。
実際に、クラシックスーパーカーの落札相場は上がり、1億円以上のハイパーカーも次々と新型モデルが発表されています。
この先、コロナ禍が収まると価格上昇の期待感もあるため、高額なクルマはもはや投機の対象という状況です。
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