“3代目”トヨタ「86」も電動化は避けられない!? 純ガソリン車のスポーツカーは2030年に消滅か?
2030年代のスポーツカーは一体どうなる?
さて、かなり気が早い話ですが、まもなく登場する2代目のさらに次のモデルとして、3代目のGR86とBRZの登場があるとするのなら、いつ頃になるのでしょうか。
2012年にデビューした初代86・BRZから今回の2代目登場までに9年の月日が流れており、それと同じモデルサイクルとなれば3代目の登場は2030年ということになります。
2030年といえば、東京都の「2030年までに都内で販売される乗用車新車販売の100%非ガソリン化を目指す」という年に当たります。
日本政府も2030年代半ばに「脱純ガソリン車」の方針を示していますが、純ガソリン車のスポーツカーはどうなるのでしょうか。
先日マツダの役員が将来の電動化戦略について発表した際、筆者の質問に答えるかたちで「『ロードスター』も2030年の電動化ロードマップのなかに入っている」と発言しています。
ロードスターの電動化がEVなのか、それとも小型モーター搭載のマイルドハイブリッドなのかは明言していませんが、いずれにしても電動パーツ搭載でガソリン車に比べて重量増や重量配分の違い、またモーターのトルク特性を加味した走り味の追求など、NAからNDまでとは違った形でのNE(仮称)が登場することになります。
ロードスターは、グローバルでは「ライトウエイトスポーツ」という唯一無二の存在ですが、GR86・BRZの立ち位置はロードスターとは若干違います。
とはいえ、今回のプロトタイプ試乗会で公表した資料での性能比較車として、車名が未公表ながらロードスターを走行性能評価のベンチマークとするところもあり、小型スポーツカーという大きな括りではマツダとトヨタ・スバルがお互いに意識していることは事実です。
そのため、ロードスターの電動化が確定したことが公になった現時点で、3代目GR86・BRZが電動化する可能性は高いと見るべきではないでしょうか。
また、GR86・BRZとの価格差は大きいものの、性能評価の視点ではライバルとトヨタ・スバルが想定している、ポルシェ「718ケイマン」や「ボクスター」の動向も気になるところです。
欧州メーカーでは英国ジャガーが2025年、独アウディが2026年、そしてボルボが2030年に新車の100%EV化を決定するといった業界の実情を鑑みると、718モデルが2030年にスモール「タイカン」のような発想で完全EV化されることもあり得ると思います。
このように、スポーツカーにとって2030年が大きな変革期になりそうですが、その頃には電池のエネルギー密度が高まるなどして、電池が小型軽量化されることでガソリン車のようなスポーツカーとして走行性能が維持できるのか。
それとも、リア駆動式の小型スポーツカーは2020年代が最後となり、その後は少し背の高いクロスオーバーSUVのような形がスポーツカーの王道になるのでしょうか。
仮にそうならば、乘って楽しいガソリンエンジン搭載のスポーツカーは「いまが買い時」なのかもしれません。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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2WDグレードの時にフロントからモーター取り除くだけで
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