高級なだけじゃなく走りもイケてる! スポーティな国産大型セダン5選

一般的に大型の高級セダンというと、余裕ある走りを実現するために高出力のパワーユニットを搭載していますが、走りを重視したようなモデルも存在。そこで、スポーティな国産高級セダンを、5車種ピックアップして紹介します。

スポーティな国産大型セダンを振り返る

 近年、SUV人気の影響もあって、セダン人気は低迷が続いています。これは日本だけでなく、セダンのニーズが高いアメリカや欧州でも、SUVのシェア拡大が続いているようです。

高性能なエンジンや優れた足まわりでスポーティな走りが可能な高級セダンたち
高性能なエンジンや優れた足まわりでスポーティな走りが可能な高級セダンたち

 セダンにはさまざまなセグメントやジャンルが存在しますが、やはりセダンの真骨頂といえば大型ボディの高級車ではないでしょうか。

 一般的に高級セダンというと、ラグジュアリーな内外装なだけでなく余裕ある走りを実現するために、比較的高出力なパワーユニットを搭載していますが、なかには走りの良さを重視したモデルも存在。

 そこで、スポーティな国産高級セダンを、5車種ピックアップして紹介します

●トヨタ「アリスト」

「スープラセダン」とも評された高性能モデルの初代「アリスト」

 1980年代の終わりは、後述する日産「シーマ」がとくに注目されていましたが、市場を席巻していたのはトヨタ製セダンです。

 フラッグシップの「セルシオ」をはじめ「クラウン」「マークII3兄弟」「カローラ」と、どれも同時にヒットしていました。

 そこでトヨタは次の一手として、1991年にラグジュアリーな高性能セダンとして初代「アリスト」を発売。

 外観デザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが主宰するイタルデザインの手によるもので、重厚感のあるセルシオやクラウンとは異なり、ロー&ワイドでスタイリッシュなクーペフォルムを採用していました。

 また、このスタイルにふさわしく、エンジンもトップグレードの「3.0V」には最高出力280馬力を誇るツインターボの「2JZ-GTE型」を「A80型 スープラ」に先駆けて搭載。

 サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンを採用するなど、乗り心地だけでなくコーナリング性能も重視されました。

 後に「クラウンマジェスタ」やセルシオと同型の4リッターV型8気筒自然吸気エンジン車も設定されましたが、やはりアリストの魅力はターボエンジンの加速力にあり、ターボモデルは高い人気を誇りました。

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●ホンダ「レジェンド」

スポーツカーも追い回せるプレステージセダンの4代目「レジェンド」

 1985年に登場したホンダ初代「レジェンド」は、同社のフラッグシップとして開発された高級セダンで、アメリカでのアキュラブランド立ち上げにも貢献しました。

 その後も同様なコンセプトで代を重ね、2004年には4代目が登場。

 4代目レジェンドのハイライトはふたつあり、ひとつは280馬力自主規制値を日本車のなかで初めて超え、最高出力300馬力を発揮する、新開発の3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。

 そしてもうひとつが、ドライブトレインに世界初の4輪の駆動力を制御する「SH-AWD(スーパーハンドリングAWD)」を採用。

 SH-AWDは、カーブの内側と外側それぞれのタイヤの駆動力だけでなく、前後の駆動力を最適に制御し、タイヤのグリップ力を最大限に保つシステムで、カーブの侵入から脱出までをスムーズかつ高い速度を維持しておこなえるというものです。

 4代目レジェンドはハイパワーなエンジンとSH-AWDによって、スポーツカー並の走行性能とコーナリング性能と、高く評価されました。

 しかし、すでにニーズの変化から販売台数は低迷してしまい、2012年に生産を終了。ここで一旦はレジェンドの系譜は途絶え、2014年に復活を果たしましたが、2021年をもって歴史に幕を閉じることが決まっています。

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●日産「シーマ」

シリーズ最後のターボエンジン搭載車となった4代目「シーマ」

 前述のとおり、日産は1988年に初代「セドリック シーマ/グロリア シーマ」(以下、シーマ)を発売。高額な高級セダンながらヒットを記録し、後にバブル景気を象徴する1台となりました。

 トップグレードには255馬力を発揮する3リッターV型6気筒ターボエンジンを搭載し、ボディ後部を沈めながらの豪快な発進加速は、シーマならではの光景でした。

 その後、シーマは代を重ねるとよりシックな外観となりましたが、2001年に登場した4代目ではアグレッシブなデザインを採用。

 特徴的なのが6つのレンズを配置した「マルチプロジェクターキセノンヘッドランプ」で、ラグジュアリーなモデルながら個性的なフロントフェイスを演出しました。

 トップグレードには280馬力を発揮する4.5リッターV型8気筒自然吸気エンジンが搭載されましたが、伝統のターボエンジンも設定。最高出力280馬力の3リッターV型6気筒ターボの「VQ30DET型」です。

 出力、トルクとも4.5リッターと3リッターターボは同等ですが出力特性は異なり、やはりターボエンジンの豪快な加速が魅力といえます。

 そして、2012年に現行モデルの5代目が登場。全車3.5リッターエンジンのハイブリッド車となり、十分にパワフルなパワーユニットですが、シーマの伝統ともいえるターボエンジンは消滅してしまいました。

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