実用的なだけじゃなくユニーク! 異色のトールワゴン5選

欧州にもあったユニークなトールワゴンとは?

●メルセデス・ベンツ「Aクラス」

トールワゴンとして登場したことがインパクト大な初代「Aクラス」

 高級車ブランドとして世界的に認知されていたメルセデス・ベンツが、1982年にコンパクトセダンの「190E」を発売して、新規顧客獲得の大きな転機を迎えました。

 190Eは欧州のみならず日本でもヒットし、その後継車である「Cクラス」も同様にヒット作になります。

 そして、メルセデス・ベンツはさらなる顧客獲得のため、1997年には初代「Aクラス」を発売。それまでのメルセデス・ベンツでは考えられないほど奇抜なモデルでした。

 ボディはBセグメントの5ドアハッチバックで、同社初のFF乗用車でありトールワゴンです。当時はメルセデス・ベンツがFF車でしかもコンパクトなトールワゴンを出すなど想像できず、かなりインパクトがありました。

 全体のフォルムもユニークで、ボンネット部分が極端に短く、ボンネットの傾斜がフロントウインドウに続く全高が高いウェッジシェイプを採用。

 1998年にAタイプが日本で発売されると、道路環境にマッチしたサイズや使い勝手の良さ、そして200万円台から設定された価格が相まって、一躍人気車となりました。

 その後、2005年には初代からキープコンセプトとした2代目にフルモデルチェンジし、引き続き好調なセールスを維持。そして2012年に3代目へとフルモデルチェンジされたAクラスは、スポーティなフォルムのCセグメント・5ドアハッチバックに一新される大変化がありました。

 2018年に登場した現行モデルの4代目では完全にプレミアムコンパクトカーのポジションを確立し、さらにシリーズ初の4ドアセダンが追加されるなど、もはや初代の面影はまったくありません。

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●プジョー「1007」

斬新なアイデアを採用した欧州流トールワゴンの「1007」

 欧州の多くの国では古くから、日本と同じくコンパクトなクルマが日常の足としてこの好まれてきました。とくにAセグメントやBセグメントのモデルが、現在も数多く販売されています。

 そのなかでも異色のモデルといえるのが、2004年に発売されたトールワゴンのプジョー「1007」です。

 外観は日本車でもおなじみの背が高いショートワゴンタイプのフォルムですが、ユニークなのは両側のドアが電動スライドドアを採用していたことです。

 日本でもトールワゴンのトヨタ「ポルテ」が助手席側にスライドドアを採用していましたが、両側というのはかなり斬新といえるでしょう。

 1007もポルテと同じく狭い場所での乗降性を考慮した結果、スライドドアの採用に至りました。

 日本でも2006年3月に200万円を切る安価な価格で発売されましたが人気とはならず、2008年12月で販売を終了。プジョーのコンパクトカーに対するイメージがスポーティだったことも、日本で苦戦した理由のひとつではないでしょうか。

 1007の後継車はありませんでしたが、間にゼロがふたつ入る車名は現在も「2008」「3008」「5008」と、SUVのシリーズで使われています。

※ ※ ※

 日本で人気のトールワゴンですが、近年はアジア圏でも人気があり、なかもインドではマルチスズキ「ワゴンR」が大ヒットしています。

 現行モデルは2019年に登場した3代目で、車名はワゴンRですが日本の軽自動車とは別モノです。

 インド国内だけでも販売台数はコンスタントに年間15万台前後を推移しており、やはり使い勝手の良さや経済性などが高く評価されています。

 日本で確立されたトールワゴンですが、いまやグローバルに展開される存在となりました。

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Writer: くるまのニュース編集部

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