生誕20周年「フィット」はホンダ小型車の「定番」となった? 市場変動のなか不動の位置築いた軌跡とは
人気の入れ替わりも激しいコンパクトカー市場
フィットが誕生してからの20年間で、国内他メーカーのコンパクトカーはどのように変遷したのでしょうか。
トヨタは当時、「ヴィッツ」を初代フィットよりひと足早い1999年に発売させています。
ヴィッツは、「大人4人が快適に過ごせる室内空間と優れた基本性能を、社会との調和を図るミニマムサイズで具体化した、コンパクトクラスのワールドワイドなベンチマークを提案する新型車」とされ、登場以来世界的な人気車となりました。
2002年4月には国内販売累計50万台、ヴィッツのグローバル名「ヤリス」も含めた同年3月時点での全世界販売累計は115万台を達成しています。
その後、2005年2月に発売された2代目ヴィッツは、前モデルのデザインを踏襲しつつ室内空間の拡大や走行性能、安全性能の向上などが図られました。
2010年10月には世界累計販売台数350万台を突破し、同年12月には3代目へフルモデルチェンジするなど、コンパクトカーのグローバルモデルとしての地位を確立しています。
その後、ハイブリッド専用車の「アクア」(2011年発売)が、ヴィッツやフィットを上回る売れ行きを見せ、状況が変化。
ヴィッツにも2017年1月にハイブリッドモデルが追加されましたが、その後のフルモデルチェンジでヴィッツからグローバル名のヤリスへ日本でも変更され、日本でヴィッツの名は消滅しました。
一方、日産のコンパクトカーは、1982年に登場した「マーチ」が主力モデルのひとつとして知られていました。フィットが登場した2001年は、1992年発売のK11型系と呼ばれる2代目のマーチがモデル末期を迎えながらも販売面では好調でした。
2002年3月には3代目マーチが発売され、発売直後の2002年度国内販売実績で約15万8千台を記録しましたが、2010年7月には4代目マーチでは日本生産ではなくタイ生産の輸入車になるという大きな変更がありました。
しかし、これは新興国もメインターゲットとして開発されたモデルで、当時のフィットをはじめとした国産コンパクトカーと比較すると、質感や基本性能、デザインなどで見劣りする感は否めず、販売面では苦戦することとなります。
一方、「ノート」が発売された2005年以降は、同車がマーチに変わって日産の国内コンパクトカー販売をけん引。3代目となる現行モデルはシリーズ式ハイブリッドシステム「e-POWER」を全車に搭載し、日産の国内登録車販売を支えています。
ほかにも、マツダは「デミオ(現MAZDA2)」、三菱「ミラージュ」、スズキ「スイフト」など、国産各メーカーはさまざまなコンパクトカーをラインナップし、それぞれ一定の評価を得ています。
ただ、直近20年の国内新車市場を振り返ると、歴代フィットはコンパクトカー市場において売れ筋の第一線に居続けたモデルのひとつだったといえます。
人気車の入れ替わりも激しいなか、現行フィットがモデルライフのなかでどのような売れ行きを示すのか注目されます。
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