カングーマニアの本命登場! MT+ディーゼルの限定車 ルノー「カングー」は至高の“遊びの空間”だ
トルクフルで扱いやすいディーゼルだが意外なほど回せるエンジン
いざドライブすると、ディーゼルと聞いてイメージする最新の欧州勢のような圧倒的な力強さこそないものの、ガソリン車よりはずっとトルクフルで扱いやすいことが印象的です。
全体的にトルクの厚みが増しているように感じられます。さらには、アクセルを踏み込むと5000rpmまでキッチリと回ることにも感心しました。
しかもあまり振動が増えて騒々しくなることもありません。意外なほど、“回せる”ディーゼルです。逆にカングーの1.2リッターガソリンターボエンジンはやや音や振動が大きめなので、乗り比べるとどっちだったかわからなくなってしまうほどです。
6速MTのシフトフィールはスポーツカーのようにカチッとしていて、このMTを操ることそのものにも楽しさを感じます。
エンジン特性にあわせて6速MTのギア比が専用に最適化されていて、1速から3速が市街地向け、4速から6速が郊外や高速道路向け、という印象となっています。
6速で100km/hで走行したときのエンジン回転数は、メーター読みで1900rpm程度。5速や6速で巡行していて、ちょっと加速したいような状況でも、そのままアクセルを踏み増せば大丈夫なくらいの余力はあります。
足まわりは、おろしたての新車だったせいか、あるいはガソリン車よりも増えた車両重量に対してサスペンションが固められているからか、より引き締まった印象で、それがまた高速道路や都市高速を走るには心地よく感じられます。
それでいて、リアはトーションビーム式のサスペンションであるにもかかわらず、とてもストローク感のある、フトコロの深い乗り味を実現しているあたりもカングーの美点です。
また、フランス車はよく冷房の効きが弱いといわれがちで、カングーもガソリンモデルではそうした声もちらほら聞かれるわけですが、心なしかディーゼルモデルのほうが効くように感じられたこともお伝えしておきましょう。
※ ※ ※
ところで、観音開きのリアドアは使いやすくてよいのですが、ドライブすると後方の死角があらためて気になったのは否めません。次期型ではADAS系のアップデートはもちろん、ぜひデジタルルームミラーを標準装備にしてもらえるとありがたいところですね。
遠く離れた日本でも熱烈なファンが大勢いて、これまで12年にわたって高い人気を誇ってきた現行型カングーの有終の美を飾るこの限定車は、やがて新型が日本で登場したとしても当面は独自の存在感を発揮しつづけることでしょう。
400台の枠は日に日に残り少なくなっており、早くもボディカラーが選べなくなってきているようですが、興味のある人はお早めに行動されたほうが賢明です。
Renault Kangoo Limited Diesel MT
ルノー カングー リミテッド ディーゼルMT
・車両価格(消費税込):282万円
・全長:4280mm
・全幅:1830mm
・全高:1810mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:1520kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1460cc
・駆動方式:FF
・変速機:6速MT
・最高出力:116ps/3750rpm
・最大トルク:260Nm/2000rpm
・タイヤサイズ:195/65R15
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。