大衆車ベースでもカッコイイ! 昭和のコンパクトスポーツクーペ5選

モータースポーツで活躍した「GSR」と「GTR」

●三菱「ランサー1600GSR」

軽量な車体に高性能な1.6リッターエンジンを搭載した「ランサー 1600GSR」

 かつて、三菱の小型車ラインナップに主力だったモデルが「ランサー」で、1973年に初代が誕生しました。

 柔らかな曲面で構成される外観デザインのクーペとセダン、ライトバンをラインナップし、とくに丸目2灯ヘッドライトまわりをアクセントにしたフロントフェイスと、フェンダー、ボンネットの造形が特徴となっています。

 デビュー当初のエンジンバリエーションは1.2リッター、1.4リッター、1.6リッターの直列4気筒を設定していましたが、遅れて登場したスポーティグレードの2ドアクーペ「ランサー1600GSR」は、1.6リッター直列4気筒SOHCの「4G32型」エンジンを搭載。

 ソレックスツインキャブレターを装着して最高出力110馬力を誇り、825kgと軽量な車体に5速MTを標準装備するなど、国内外のラリーなどモータースポーツで活躍し、後のランサー=ラリーというイメージが確立します。

 1979年には2代目の「ランサーEX」がデビューしましたが、強化された排出ガス規制の影響からパワーダウンを余儀なくされ、再び速いランサーが復活するのは1981年のターボ車の登場まで待たなければなりませんでした。

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●いすゞ「ベレットGTR」

レーシングテクノロジーをフィードバックして開発された「ベレットGTR」

 現在、いすゞは国内で乗用車の販売から撤退していますが、かつては数多くの名車を輩出してきました。そのなかの1台が1963年に誕生した「ベレット」です。

 外観は欧州車を思わせるモダンなデザインで、ボンネットからトランクまでのラインが緩やかなカーブを描き、その上に背の高いキャビンを乗せたかたちが斬新なフォルムを形成。

 ボディラインナップは2ドア/4ドアセダンで後に2ドアクーペが加わりました。

 1964年にはレースで培った技術がフィードバックされた、「ベレG」こと「ベレット1600GT」が登場。

 2ドアクーペには国産車初のディスクブレーキ(前輪)や、前輪ダブルウィッシュボーンと後輪ダイアゴナルスイングアクスルの組み合わせによる4輪独立懸架、ラックアンドピニオン式ステアリングを採用し、高いコーナリング性能を発揮。

 そして、1969年には「鈴鹿12時間耐久レース」で優勝した「ベレットGTX」の市販モデルとして、「117クーペ」用の1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「ベレットGTR」(後に「ベレットGT typeR」へと改名)が発売されました。

 ベレットGTRは強化されたサスペンションやブレーキブースターを装備し、2トーンのカラーリングにフロントに補助灯が装備されるなどラリーマシンを彷彿とさせる外観から人気となりました。

※ ※ ※

 近年は絶滅が危惧されている状況のコンパクトクーペですが、トヨタ新型「86」/スバル新型「BRZ」の発売が秒読み段階です。

 さらに同クラスのクーペとして挙げられるのがBMW「2シリーズクーペ」で、2021年7月8日に新型が発表される予定となっており、さらにFRを継承することが明らかになっています。

 今後、コンパクトクーペが増えることは期待できないなか、このようなスポーツモデルをラインナップするのは、メーカーの英断といえるでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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