現行モデルの初代はスゴかった? 1990年代にデビューのヒット車5選
現在、国内メーカーが販売しているクルマは、50年以上の歴史があるモデルやデビューしたてのモデルまでさまざまです。なかには20年から30年続いているモデルもあり、比較的息が長いモデルといえるでしょう。そこで、1990年代に誕生した現行モデルの初代を、5車種ピックアップして紹介します。
1990年代にデビューした初代を振り返る
各自動車メーカーのラインナップには、数十年もの長い歴史を刻むモデルから、デビューしたてのモデルまでさまざまです。
なかにはヒットに恵まれずに一代限りで消えてしまうモデルもありますが、誕生から20年、30年という比較的息が長いモデルも存在。
そうしたクルマは常に売れ続けているモデルであったり、ニーズの変化から消えては復活したモデルもあります。
そこで、1990年代に誕生した現行モデルの初代はどんなクルマだったのか、5車種ピックアップして振り返ります。
●トヨタ「RAV4」
現在、世界中で高い人気を誇っているSUVの起源は、クロスカントリー車です。優れた悪路走破性能があり、機能的なデザインから、1990年代初頭には日本でクロカン車が爆発的にヒットしました。いわゆる「RVブーム」の到来です。
しかし、そうしたクロカン車は普段使いには適さない一面もありました。そこでトヨタは、一般的な乗用車に準じた基本構造のRVとして、1994年に初代「RAV4」を発売。
当時、コンパクトSUVのスズキ初代「エスクード」がすでにデビューしていましたが、エスクードはクロカン車に近いラダーフレーム構造だったのに対し、RAV4はモノコック構造となっていました。
外観はまだクロカン車の面影が強いですが、丸みをおびた都会的なデザインを採用し、デビュー時は3ドア車のみでしたが、1995年には使い勝手の良い5ドアモデル「RAV4 V」(ファイブ)を追加します。
ボディサイズは、全長3705mm(3ドア)-4115mm(5ドア)×全幅1695mm-1760mm×全高1645mm-1660mmと、現在のSUVと比べてかなりコンパクトなサイズです。
エンジンは2リッター直列4気筒を搭載し、駆動方式はFFベースでベベルギア式センターデフを持つ本格的なフルタイム4WDを採用。
初代RAV4はオンロード走行を重視した新しいタイプの4WD車で、一般の乗用車から乗り換えても違和感のない運転感覚と高い着座位置による取りまわしの良さから、女性からも支持されるなど高い人気を誇りました。
その後、RAV4は代を重ねましたが、4代目は日本で販売されず、2019年4月に現行モデルの5代目が国内で復活を遂げ、現在も好調なセールスを続けています。
●ホンダ「CR-V」
前述のRVブームのころ、ホンダは自社で本格的なクロカン車を生産していなかったため、いすゞと英国ローバーグループから、RVのOEM供給を受けていました。
そうした状況のなか、1995年には初の自社開発のRVとして初代「CR-V」を発売。
初代CR-Vは6代目「シビック」のプラットフォームをベースにしたモノコック構造で、全高の高いボクシーなボディに背面にスペアタイヤを装備するという伝統的なクロカン車をオマージュしながらも、都会的でスタイリッシュに仕上げたデザインが高く評価されました。
室内ではコラム式ATシフトレバーを採用することで前後左右のウォークスルーを可能とするなど、ミニバン的なユーティリティの高さもあります。
足まわりは4輪ダブルウイッシュボーンとし、オンロード走行における快適性も高く、従来のクロカン車より軽量な車重と2リッター直列4気筒エンジンの組み合わせによって、セダンやステーションワゴンから乗り換えても不満を感じない動力性能を確保。
ホンダ自ら「ライトクロカン」と標榜するだけあって、205mmに設定された最低地上高により未舗装路や雪道での高い走破性を発揮しました。
これらすべての要素が相まって初代CR-Vはヒットを記録。追ってアメリカでも販売されると同じくヒットして、以降は北米におけるホンダの主力車種の1台となります。
前出のRAV4と同じくCR-Vも2016年に一旦国内販売を終えましたが、2018年に5代目として復活しました。現在、国内での販売は苦戦していますが、主戦場の北米や中国では好調なセールスを記録中です。
●スバル「フォレスター」
スバルは4WD乗用車の先駆者といえるメーカーですが、やはりRVブームの頃はクロカン車を生産しておらず、いすゞから「ビッグホーン」をOEM供給してもらい、販売していました。
その後、RVブームが沈静化して、前述のRAV4やCR-Vのヒットに追従するかたちで1997年にクロスオーバーSUV「フォレスター」を発売。
シャシは初代「インプレッサ」を流用し、ボクシーなステーションワゴンタイプのボディで、デビュー当初のエンジンは2リッター水平対向4気筒ターボのみでしたが、後に2リッターと2.5リッター自然吸気が追加されました。
駆動方式は全車アクティブトルクスプリット4WDとし、最低地上高は200mmと高めに設定されたことから悪路走破性能も優れていました。
一方、2000年には「S/tb」をベースにエアロパーツを装備し、ローダウンなどSTiによる専用チューニングが施された「S/tb STi」が追加。
さらに、2001年には専用のスポーツECUにより最高出力250馬力を発揮し、足まわりとブレーキを強化した「STi II Type M」を限定800台で発売するなど、オンロード性能を重視したモデルを展開しました。
その後もフォレスターは同様のコンセプトで代を重ね、現行モデルは2018年発売の5代目で、2021年6月にビッグマイナーチェンジが発表されています。
20数年前、初めて普通車買い替える時にほぼスズキエスクードを買う予定で商談中にたまたま別件で来られたスバルの営業さんにフォレスター試乗させてもらいました。
ターボの加速に興奮し、即買い替え車種フォレスターにしました。スズキの営業さんゴメンナサイ。