時速400キロ以上でシフトチェンジ! ブガッティだからこその開発テストとは?
ブガッティだからこそ、時速400キロオーバーでのシフトチェンジを真面目に考える
シロン・スーパースポーツは、420km/hを超える超高速用に設計されたモデルで、ほかのシロンとは異なるモデルだ。延長されたテールはマシンへの層流をより長く保持し、その結果効力が減少し、エアロダイナミクスが向上する。しかし最高速で400km/hを目指すにはとても難しい手法だ。
ロングテールのアイデアは「シロン・スーパースポーツ300+4」が300マイルの「しきい値」(それを実現するためにエンジンやサスペンションなどの性能を達成すること。おもにエンジンからのエネルギー)を超えた2019年の夏に始まった。正確には304.773mph=490.484km/hを達成したことを記念した「シロン・スーパースポーツ300+」の販売は30台限定でおこなわれたが、それらはすぐに完売した。
さて、シロン・スーパースポーツを現実のものとするには、新しい「しきい値」が必要になったのだが、その責任者はマルコ・シュルテ氏だ。ブガッティの開発部門のエンジンアプリケーション開発者として、彼は4つのターボの出力を負荷に合せて正確に調整することからプロジェクトをスタートした。
●時速400キロオーバーでのシフトチェンジをどうするか
シロン・スーパースポーツでは8リッターW型16気筒+4ターボエンジンの最高出力は1600psと、スタンダードなシロンと比較して100psも大きな数字になる。同時に全負荷時には6速から7速へは403km/hまでシフトすることはないという。
マルコ・シュルテ氏は次のように説明する。
「7100rpmでシフトした時に、ドライバーがトラクションの中断に気づかないことが重要です。したがって、最後の3つのギアではブースト圧力レギュレーションをより細かく設定しました。その結果、ブースト圧はギアチェンジ中に最低限にしか低下せず、すぐに2.8バールのフルブースト圧力を提供します。
シロン・スーパースポーツは、わずか2.4秒で0-100km/hを加速し、5.8秒で200km/hまでを、そして300km/hまでの加速はシロンより1秒早く、12.1秒です。28.6秒の0-400km/h加速は、同様にシロン比でマイナス4秒という驚異的な数字になります」
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シロン・スーパースポーツは、シロンの500台の枠の中で生産され、車両価格は320万ユーロ(邦貨換算約4億9000万円)と発表されている。
はたして、シロン・スーパースポーツのオーナーのうちの何人が400km/h以上でシフトチェンジするだろうか。しかし、ゼロではない以上、ブガッティはポテンシャルの全域で最高のパフォーマンスを目指さなければならないのである。
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