他人とは違うチョイスが渋い! 人気モデルの激レアOEM車5選

人気モデルは人気となるだけに良いクルマなことが多いのですが、数多く売れているため、他人とかぶってしまうことが多いのが難点です。そこで人気車とほとんど同じながら別の車種であるOEM車に注目。いま新車で購入できるOEM車を紹介します。

販売台数はベース車の1割以下!? 人気モデルのOEM車とは?

「OEM」とは「Original Equipment Manufacturing(またはManufacturer)」の略で、「他社ブランドの製品を製造すること(またはメーカー)」という意味の言葉です。

 OEMは自動車業界でも盛んにおこなわれており、自社で開発・製造せずにほかの自動車メーカーから調達して販売するクルマのことを「OEM車」と呼んでいます。

 どうしてこのようなクルマが存在するのかというと、開発・製造するメーカーと、それを販売するメーカーの双方にメリットがあるからにほかなりません。

 開発・製造側にとっては販売網が広がることで生産台数が増え、販売側にとっては車両開発という大きな投資なしに新型車をラインナップに加えられるからです。

 消費者にとっても、複数のブランドから選ぶことができたり、馴染みのディーラーで購入できたりという利点があります。

 また、ベース車には人気モデルが選ばれることが多く、OEM車のほうが販売台数が少ないこともよくあり、人気車とほぼ同じなのに「ほかの人とはちょっと違うクルマ」感を味わえるというわけです。

 そんな「人気車なのにちょっと違う“ワザあり”な選択」となり得るクルマ5車種をピックアップして紹介します。

フルモデルチェンジで人気を高めたスズキ「ソリオ」のOEM車 三菱「デリカD:2」
フルモデルチェンジで人気を高めたスズキ「ソリオ」のOEM車 三菱「デリカD:2」

●三菱「デリカD:2」

「デリカD:2」は、三菱の看板モデルである「デリカ」の名を冠するものの、2列シートのトールワゴンであるスズキ「ソリオ」のOEM車。現行型は3代目にあたり、2020年12月に登場しました。

 ベースはひと足先に発売された4代目ソリオで、ダイナミックな内外装が特徴の「ソリオバンディット」に相応する「デリカD:2カスタム」もラインナップされています。

 ベース車両との違いは、エンブレム類やグレード展開、選択できるオプション装備が若干異なる程度です。

 搭載されるパワーユニットは91馬力の1.2リッター直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド。ソリオとは違い、デリカD:2には純粋なガソリン車は設定されていません。

 多くのOEM車ではボディカラーのバリエーションがベース車両より少ないことが多いのですが、ソリオとデリカD:2にはそれぞれ専用カラーが用意されているのが特徴のひとつ。

 基本的には同じクルマなので、ソリオかデリカD:2かは色で選んで決めるというのも面白いかもしれませんね。

●マツダ「フレア」

 軽トールワゴンの先駆者であるスズキ「ワゴンR」のOEM車がマツダ「フレア」です。現行モデルは2017年ワゴンRが6代目へのモデルチェンジにあわせて、フレアも2代目へと代替わりを果たしています。

 フレアはエンブレム以外は「ワゴンR」とほぼ共通ですが、設定されているグレードに差異があります。ワゴンRはマイルドハイブリッド仕様が2グレードにガソリンエンジン仕様が1グレードの計3グレードで展開されますが、フレアはマイルドハイブリッド仕様の2グレードのみ。

 スポーティで豪華な「ハイブリッド XS」とスタンダードな「ハイブリッドD XG」で、それぞれワゴンRの「ハイブリッド FZ」と「ハイブリッド FX」にあたります。

 49馬力のガソリンエンジンだけを積む「ワゴンR FA」に相当するグレードや「ワゴンR ハイブリッド FX」には存在する先進安全装備レス仕様もフレアにはありません。

 だいぶ絞られたラインナップであることも影響しているのか、ワゴンRの月間3816台という販売台数と比べると、フレアは301台とは控えめです(2021年5月)。

 デビューから4年以上が過ぎたこともあり販売は落ち着いていますが、フレアはワゴンRの1/12程度というのですから、マニアックな選択肢といっても間違いではないでしょう。

●日産「NV100クリッパー/NV100クリッパーリオ」

 スズキの軽ワンボックス「エブリイ(商用車)/エブリイワゴン(乗用車)」をベースに、日産へOEM供給されるのが「NV100クリッパー/NV100クリッパーリオ」です。

 2003年に「クリッパー」として登場した初代モデルは三菱「ミニキャブバン」、2007年登場の「クリッパーリオ」は三菱「タウンボックス」のOEM車でした。

 しかし、2013年に供給元の三菱が軽商用車の生産および開発から撤退したため、同年に登場した2代目からスズキが車両を供給することになり、車名もNV100クリッパー/NV100クリッパーリオへと改められました。

 また、翌々年にベースのエブリイがフルモデルチェンジを実施。NV100クリッパー/NV100クリッパーリオは登場からわずか2年で現行型の3代目へとモデルチェンジしています。

 OEM車のなかにはベースモデルに対し多少の独自性を盛り込んだ車種もありますが、NV100クリッパー/NV100クリッパーリオについてはほぼエブリイといっても過言ではありません。

 ボンネットのエンブレムやホイールキャップとステアリングの中央にあるロゴがスズキから日産に変更されている程度。

 ちなみに、三菱「ミニキャブバン/タウンボックス」やマツダ「スクラムバン/スクラムワゴン」もエブリイのOEM車です。

 メカニズムや機能性の面ではまったく同じですが、それ以外の面ではバリエーションが少ないというデメリットもあります。

 たとえば商用車モデルでターボエンジン×MTの組み合わせが選べるのはエブリイだけ。ボディカラーもエブリイは5、6色(グレードにより異なる)から選べますが、NV100クリッパーは2、3色のみとなります。

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1件のコメント

  1. ファミリア・バン(プロボックスOEM)も取り上げてください。車名が存続しているだけでも尊いと思います。

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