ライバルは欧州車 新型トヨタ「オーリス」試乗、その武器は
「欧州で鍛えられたコンパクトハッチバック」であるトヨタ「オーリス」が、マイナーチェンジを実施。欧州車の人気が根強い日本のコンパクトハッチ市場で、欧州仕込みの「オーリス」はどう戦おうとしているのでしょうか。試乗してその力を確かめてきました。
激戦区の欧州で4位
トヨタが欧州市場を主眼に据え、投入しているCセグメントのハッチバック「オーリス」。その欧州でのライバルはフォルクスワーゲン「ゴルフ」やプジョー「308」など、日本でも人気の高いモデルばかりです。しかし、そうした激戦区ながら欧州における「オーリス」の評価はなかなかのもので、2014年は欧州のCセグメントで売上4位を記録しています。
そんな「欧州で鍛えられたコンパクトハッチバック」である「オーリス」が2015年4月、マイナーチェンジを実施しました。
最大のトピックは、「ダウンサイジングターボエンジン」の採用です。最上級グレード「120T」に搭載された1.2L直噴ターボエンジンは、1.2Lという小排気量エンジンにターボチャージャーを装着。1.8Lクラスのパワーと1.5Lクラスの低燃費を狙ったもので、トヨタが開発、投入を進めている高効率・低燃費エンジン群のひとつです。
ターボエンジンは「高性能モデル向けに高出力化を図ったもの」というイメージがあるかもしれませんが、「オーリス」が搭載するダウンサイジングターボエンジンは「実用性を高めるため」のもの。よって最高出力は116psとごく平均的です。しかしこのエンジンで注目すべきなのは、そこではありません。フラットなトルク特性です。185Nmという1.8Lクラスの最大トルクを、1500rpm~4000rpmという幅広い回転域で発生。低速から十分な加速性能を得られるようになっているのです。燃費もNAエンジン1.5Lモデルの18.2km/Lに対し19.4km/Lと、大きく上回っています。
また、トランスミッションにはCVTが設定されています。欧州コンパクトではDCT(デュアルクラッチトランスミッション)との組み合わせがよく見られますが、「オーリス」は新ターボエンジンとのマッチングを検討したところCVTのほうが利点が多かったといい、この点にも注目です。