まさかの最強「ヤリス」があった!? GRヤリスとは一味違う!? KINTO専用モデルの魅力とは

ヤリスKINTOは「ベストofヤリス」

 今回、公道での試乗はガソリン車です。

 筆者(山本シンヤ)は、これまでベースのヤリスに何度も試乗していますが、滑らかで自然なステアリング、ドライバーの意志や操作に忠実に反応するハンドリング、コンパクトカーとは思えない直進安定性の高さ。

 加えて、軽量ボディを活かしたスッキリ&キビキビとした動きなど、基本素性の良さを活かした直球勝負の走りに関して高く評価しており、「これでも十分いいのに!?」と思っていましたが、実際に試乗して「上には上があるな」と感じました。

 何は違うのか。単に「スポーティになった」や「快適性があがった」ではなく、「ヤリスの走りのバランスを損なわずに純度が高められている」という点です。例えるならば、初代「86」の前期/後期のような差に近いかもしれません。

 具体的にいうと、ステアリング系は扱いやすさはそのままに精度が高められたかのようなさらなる滑らかさと直結感、タイヤと路面の状況が解りやすくなっており、クルマから伝わってくる安心感や対話性が増しています。

 筆者は普段「GRヤリス」に乗っていますが、ステアリングフィールに関しては、ヤリスKINTOのほうが優れており、この制御をGRヤリスにもフィードバックしてほしいと思ったくらいです。

 フットワーク系は体幹が鍛えられた車体に無駄な動きは抑えられたうえでしなやかさが増したサスペンションセットの相乗効果が出ており、まるでワイドトレッド化されたかのような安心感をプラスされていますが、ヤリスのキビキビとした小気味よい走りはそのままです。

 つまり、ノーマルのバランスを損なわずにノーマルより1ランク上の走りを実現しており、人によってノーマルよりもスポーティ、ノーマルより快適、ノーマルよりもプレミアムにも感じる、より「懐の深い」走りに仕上がっています。

 実は筆者は一般道に加えてツインリンクもてぎの南コースで全開走行も試していますが、エコタイヤを履いている事を忘れるくらいのグリップ感と繊細な操作にも応じるコントロール性の高さにビックリ。

 これでタイヤをちょっとだけいい銘柄を奢ってあげたら、期待はさらに高まります。

 実はこのとき、ガソリンに加えてハイブリッドも試乗しましたが、バッテリーを搭載していることを忘れるくらい軽快な動きと重量配分の良さから来る前後バランスの良さから、パワートレインを含めた総合力という部分では、ガソリンよりも上だと感じました。

前後のブレース追加や専用のショックアブソーバーにより、しなやかな動きと「接地感」のあるフラットな乗り味を実現。
前後のブレース追加や専用のショックアブソーバーにより、しなやかな動きと「接地感」のあるフラットな乗り味を実現。

 実は筆者はひとつだけ気になっていた部分がありました。実は日本仕様ヤリスと欧州仕様のヤリスは全幅が異なる(1695mm→1745mm)だけでなく、サスペンション周りの構成アイテムも1クラス上のカローラ系(=GA-C)が使われています(例えば、ホイールは日本仕様が4穴に対し欧州仕様は5穴などなど)。

 そこで開発陣に「KINTO(=日本仕様)と欧州仕様、どちらが乗り味は優れますか?」と聞いてみると、即答で「KINTOですね」と。これは日本人にとって嬉しいことです。

 個人的には「これがノーマルであってほしい!!」と思う一方で、「これを求めてKINTOをセレクトすべし!!」というふたつの葛藤があるのも事実です。

 ただ、間違いなくいえるのは、現時点での「ベストofヤリス」という点でしょう。

 それも単なる机上検討ではなく実際にモノにして市場からの反応を試してみるといったこれまでのトヨタでは考えられないスピーディな動きは、今のトヨタのものづくりへの「挑戦」や「もっといいクルマづくり」が色濃く見えるモデルともいってもいいでしょう。

 とはいえ、なかには「いいのは解るけど、高いんでしょ?」という意見もあります。

 そこに関しても抜かりなしです。ちなみにヤリス(Gグレード)との月々の支払額を計算(ナビパッケージ追加で7年契約、ボーナス月11万×14回を加算した場合)してみると、ノーマルの2万2000円(税込)に対して、ヤリスKINTOは2万4640円(税込)とその差は2640円。

 月々2500円ほどの差でこの走りが手に入れられると思えば、正直バーゲンプライスです。

 KINTOでしか手に入れることができない「特別」かつ「理想」のヤリス、これをセレクトしない理由はありません。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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