マツダ「ロードスター」9年以内に電動化へ 次期型で大きく変わる? エンジン車には「e-fuel」の選択も?
マツダが2021年6月17日の「中期技術・商品方針説明会」で、将来の商品計画において「ロードスター」を電動化して継続すると明言しました。マツダは今後、どんなロードスターを世に送り出すのでしょうか。
「ロードスターは永遠に不滅?」に対するマツダの答えは
マツダは2021年6月17日、メディア向けに「中期技術・商品方針説明会」をオンラインで実施しました。その際、「公表している『2030年グローバルにて電動化100%のスコープ』に『ロードスター』は入っている」と、マツダの技術担当役員が明言したのです。
この発言により、ロードスターが電動化してさらに進化することが確実になりましたが、具体的にはどのようなモデルとして登場するのでしょうか。
専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の廣瀬一郎氏がプレゼンした後、常務執行役員 R&D管理・商品戦略・技術研究所・カーボンニュートラル担当の小島岳二氏も加わり、記者からの質疑応答がおこなわれました。
冒頭のロードスターに関する発言は、その質疑応答の際、筆者(桃田健史)からの質問にマツダ側が答えたものです。
筆者の質問は「本日の発表を踏まえて、マツダの象徴である『ロードスター』はEV化を含めて、永遠に不滅でしょうか?」という内容です。
これに対して、まず廣瀬氏は「2030年の電動化のスコープ」にロードスターは入っているとしたうえで、ライトウエイトスポーツカーとしてのロードスターのDNAを大切にした電動化を実現していきたいとの考えを示しました。
続いて小島氏は、廣瀬氏が語ったことは新型車の将来構想であるとしたうえで「これまでロードスターを購入して頂いたお客さまには、eフューエルなどバイオ燃料を使った内燃機関を活用して、マツダとしてカーボンニュートラルを実現してきたい」という既存ユーザーを含めた話をしてくれました。
このように、マツダが次期ロードスターについて具体的な方針を公の場で示したのは今回が初めてです。
今回は時間の関係で、筆者からさらに一歩踏み込んだ質問はできませんでしたが、廣瀬氏は決して、ロードスターのEV化について明言も否定もしていません。
では具体的に、ロードスターの電動化にはどういうものが考えられるのでしょうか。
マツダの「2030年グローバルで電動化100%」は、全体の25%がEVで、残りの75%は「内燃機関+電動化技術」という表記をしています。
そのうえで、マツダがスモール商品群と呼ぶ「マツダ3」などCセグメント以下のモデルの電動化は、SKYACTIV-X、24Vマイルドハイブリッド、EV、そしてロータリーエンジンを発電機として使うレンジエクステンダーという大きく4種類で、これらすべては横置き型です。
一方で、ラージ商品群という「マツダ6」以上のモデルでのエンジン搭載は縦置きとし、直列6気筒のガソリンエンジンのSKYACTIV-G、ディーゼルエンジンのSKYACTIV-D、SKYACTIV-X、直列4気筒SKYACTIV-G、プラグインハイブリッド、さらにガソリンとディーゼルそれぞれの48Vマイルドハイブリッドというラインアップです。
こうしたパワートレインから考えると、ロードスター向けの電動化には、ラージ商品群で用いるSKYACTIV-Gを48Vマイルドハイブリッド化の可能性が考えられます。
なお、スモール商品群での24Vマイルドハイブリッドについて他記者の筆問に対して、廣瀬氏は、「回生エネルギーを効率的に扱うためには48Vが有利という技術的な確認をしている」と答えています。
さらに、コストなどを踏まえてスモール商品群では24Vを採用したが、将来的には48Vのコスト削減も進むことが期待されるため、マイルドハイブリッドが全48Vになる可能性を示唆しました。
そのほかには、今回初めて明らかになった、2025年以降に市場導入する「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー」による、ロードスターEV化も考えられると思います。
ただし、ライトウエイトスポーツカーというロードスターのDNAを考えると、EV化の可能性としてはかなり低いとは思いますが、可能性がゼロともいい切れないでしょう。
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