「インプレッサ」が5600万円オーバー! 英国でスバル人気の理由とは

英国のオークションで2台の「インプレッサ」が出品された。日本でも非常に人気の高い「22B-STiバージョン」とペター・ソルベルグ選手が実際にドライブした個体だ。どうして英国ではインプレッサの人気が高いのだろうか。

「走り」好きの英国ではラリーカーは超人気

 英国には、物好きが多いのかもしれない。クルマの世界でいえば、少量生産の自動車メーカーが英国で数多く生き残っていることも、無関係ではないさえ思える。

 そういった物好き系クルマ好きにとって、ラリー車というのは心に刺さるものだ。本国である日本に「スバリスト」がいるのは当たり前だが、英国にも日本に負けないスバリストが多く存在している。そのことを示しているのが、今回紹介する、シルバーストーンオークションで落札された、2台の「インプレッサ」のハンマープライスだ。

●1999 スバル「22B-STi Type UK」

スバル「インプレッサ22B-STiバージョン」は、日本でも限定400台があっという間に完売した(C)Silverstone Auctions Limited 2021
スバル「インプレッサ22B-STiバージョン」は、日本でも限定400台があっという間に完売した(C)Silverstone Auctions Limited 2021

 まず1台目は、1999年式スバル「インプレッサ22B-STiバージョン」。GC8型のインプレッサをベースとした「WRX」も人気だが、2ドアボディをベースに、フェンダーをワイド化し、エンジンは技術者がハンドメイドした2.2リッター水平対向4気筒を搭載する400台のみの限定車は、日本でもあっという間に完売したモデルだ。

 当初、英国では正規で販売されなかったのだが、数奇者は日本からの個人輸入というルートで英国にクルマを持ち込んでいたようで、その数は50台ほどといわれている。

 そのことを知った英国スバルは、正規輸入を決定。といっても、一般販売は12台のみ。この正規輸入車は日本国内仕様車とは違い、ファイナルギアを3.9から4.44へと変更。また、国内仕様車ではプレートが装備されている部分に、ドライビングランプ装備され、リアには「type UK」と「Prodrive」のステッカーが貼られている、という違いもある。当時の販売価格は3万9950ポンド(邦貨換算約616万円)だった。

 そんな正規輸入された22Bの1台を購入したオーナーは、2001年まで所有した後、2番目のオーナーへとクルマを手放している。2番目のオーナーは所有していた4年間の間に4回、点検整備をディーラーでおこなっている。そして2004年に業者の手に渡ったあと、シンクロギアの交換や特注エキゾーストシステムへの交換などがおこなわれている。サスペンションは2018年にビルシュタインによってオーバーホールされているため、現在も好調だ。

 こうした履歴を持つ出品車の22B-STi Type UKは、17万1000ポンド(邦貨換算約2640万円)で落札された。まず第一に限定車であることと、12台しか一般販売されていないタイプUKであることが高額な落札価格になったポイントである。こうしたマニアなクルマを大切にするということに関しては、英国人にかなう者はいないのかもしれない。

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