アート作品でクルマを購入可能!? スウェーデンの「ポールスター」社が新たな取り組み
スウェーデンのポールスター社は2021年6月10日、同社のハイパフォーマンスプラグインハイブリッド(PHEV)「ポールスター1」をアーティストやコレクター向けに美術品で購入できる新たな仕組みを導入したと発表した。
絵画や彫刻、写真などさまざまな芸術作品が対象
スウェーデンのポールスター社は2021年6月10日、同社のハイパフォーマンスプラグインハイブリッド(PHEV)「ポールスター1」をアーティストやコレクター向けに美術品で購入できる新たな仕組みを導入したと発表した。
ポールスター1は2017年に発表、2019年に市場に導入されたPHEVの2ドアクーペスポーツカー。全長4585mm×全幅1935mm×全高1350mmで、2リッター直列4気筒「ドライブE」エンジンに3つのモーターを組み合わせ、システムトータル出力は609ps・トータル最大トルクは1000Nm。8速ATと組み合わされ、0-100km/h加速は4.2秒、最高速度は250km/h(リミッター)というパフォーマンスを誇る。
限定1500台という少量生産モデルとなり、2021年後半に生産が終了する。車両価格15万5000ユーロ(日本円で約2080万円)となる。
その生産終了に先立ち導入されたのは、アーティストやコレクターが持つ美術品を下取りに出すという新しい購入方法だ。これは6月10日に開始され、欧州と北米で8月15日まで受け付ける。
ポールスターのCEO、トーマス・インゲンラス氏は「アーティストやコレクターの方々に、アートでポールスター1を購入していただくというアイデアはとても気に入っています。このクルマは特別なモデルなので、生産終了前にユニークな方法でお祝いしたいと思っていました」とコメントする。
近年、NFT(ノンファンジブル・トークン)を使ったデジタルアートの流行や、カニエ・ウエストがデザインした靴が180万ドル(約1900万円)で落札されるなどのアートブームを背景に、クラシックアートやコンテンポラリーアートのオークション価格が高騰している。
ポールスターのアドバイザーを務めるセオドア・ダレンソン氏は「歴史的に見ても、美術品の取引の多くは、今日の美術品市場と無縁なところでおこなわれてきました。数百年前にさかのぼると、取引はおもに芸術家とパトロンの間でおこなわれました。ピカソのような画家は、スケッチをレストランの食事と交換することでも知られています。ポールスター社の取り組みは、美術品が貴重品の対価として使われた伝統を、ごく自然に発展させたものなのです」とコメントしている。
ポールスターは、絵画や彫刻、写真、インスタレーションなどあらゆる芸術作品を対象とする。寄せられた提案はダレンソン氏によって検討され、2大オークションハウスであるサザビーズとフィリップスによる評価額の見積もりがおこなわれる。ポールスター社は作品の所有期間終了後、上記のオークションハウスまたはアーティストの代理人であるディーラーを通じて作品を販売する予定だ。
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2021年4月の上海モーターショーで公開されたポールスター1の特別仕様車は、マットゴールドのエクステリアに同色のブレーキキャリパー、ブラックのホイールを組み合わせたモデル。最大25台が製造され、そのうちの一部が今回の対象車となるという。
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