ランボルギーニで日本海北上! グランドツーリングとして使える「ウルス」の資質【ウルス旅第3回】
「ウルス」はSUVのなりして立派なグランドツーリングカーだ
腹ごしらえの後も再び、海岸線を北上した。目指すは千畳敷海岸だ。このあたりから右手遠方に岩木山が見えてくる。雄大、そして凛々しい。周りに大きな山がない分、存在感もひと際で、なるほど今なお信仰の山だけのことはある。
千畳敷海岸に到着した。地震で隆起したこの手の海岸はとくに珍しいものではない。けれども、クルマで降りていいなんてところは限られる(他にあるだろうか?)。その昔、津軽藩主が盛り上がった土地に畳を千枚敷いて大宴会したのだという。ウルスもドライバーもしばし殿様気分を味わってみる。土産物屋のおばさんとの会話も弾む(半分もわからないけれど、弾む。イタリア人との会話みたいなものだ)。
撮影後は再び海岸線を走り、つがる市、五所川原市を抜けてこの日の宿泊地である青森市へ。23インチのタイヤ&ホイールを履くにもかかわらず、ウルスの乗り心地は上等で、上質なグランドツーリングカーである。
宿泊地に到着した。工程のほとんどが一般道で、全て初見の道だったというのに不思議と疲れてはいない。デイリーカーとしてのウルスの優秀さの証明というものだろう。
荷ほどきもほどほどに何はさておきお楽しみの夕食へ。まずは地元の寿司屋で近海の海の幸を楽しんだのち、日本最高に輝いたこともある「あおもり倉石牛」を供する名店「ラツール」へはしご。旨い魚で腹一杯だったはずなのに、倉石牛ヘレステーキがすんなり胃袋へ収まって驚く。近いうちに再訪必須と心に決める。さらに驚いたのは畑のうなぎ「アピオス」。これが抜群に旨い。京都に戻ってからも通販で買い求めたほどだ。
●旅の安全と疫病退散を祈願
2日目。どこからでもその偉容が美しい岩木山を目指す。弘前に入ると視界がさっと開けて、岩木山がくっきりと見えてきた。まさに山の字のような形をしている。じっくり眺めるものをどこか敬虔な気持ちにさせる山だ。ドライブモードをスポーツに入れて、V8エンジンの少々派手目のエグゾーストノートを響かせ走る。
りんご畑が徐々に増えてきた。白い花が咲き誇っている。窓を開けるとほのかに花の香りがする。岩木山が目の前に近づくと、もう周りは全て白い花だ。凄まじい量で、一体どれだけりんごを食べるのだろう? と思ってしまったほど。満開を迎えて間引きも始まっていた。
ここでも桜の時期こそ逃してしまったけれど、その代わりに一面のりんごの花を楽しめた。これはここまでこなければ見ることのできない景色だ。弘前公園の桜も含めて、それは来年の楽しみにしておこう。
その昔は修行僧が通った寺だったという岩木山神社に参拝する。旅の安全と疫病退散を祈って、弘前市内へ。桜の後の新緑もまた眩しく美しい。りんごの花をさらに堪能して、再び青森市へ向かった。筆者のパートはそれで終了した、はずだったのだが……。
岩木山神社周辺にたくさん湧いていた温泉が気になって仕方なく、夜に再び訪ねることに。いただいたのは嶽温泉。肌から滲み入るような泉質が心地よい。夕食は郷土料理の数々を近所の民食から調達し、友人の山小屋でいただいた。
青森の友人たちが盛んに自慢するには、四季の移り変わりをこれほどしっかりと味わえる県は他にないのだという。そして太平洋で朝日を眺め、日本海で夕日を眺めることのできる唯一の県だとも。旨いものにもたくさん出会ったことだし、これは近々再訪しなければなるまい。
3日目の朝、次のドライバーへと「ホワイトベア」をリレーする。1か月ツアーのちょうど折り返し。ウルスが教えてくれる日本再発見のドライブはその後も続いたのであった。
説明と画像が違うのが、2枚ある。「岩木山神社」でも参拝したかもしれないが、弘前市の禅林街にある「最勝院」でも参拝したと思われる。というのは、「岩木山神社」の社殿の前には、車で行くことができない。また、五重塔が、岩木山神社にない。だから、弘前市の「最勝院」という寺でも、撮影をしているはず。